行財政改革調査特別委員会の行政視察に来ています。「初めての視察」です。本日は大阪府池田市「保険窓口のアウトソーシングについて」。
事前に調べてみたら、足立区の窓口業務委託で、「偽装請負」(受注側の職員が委託先の職員に指揮命令を出すこと)が問題になり、東京労働局が是正勧告を出していたこと、そして、池田市では2007年に市長が所信表明で「総合窓口設置」に言及したことにより、2011年、各種証明書・戸籍にかかわる業務等の委託を開始していたことを知る。
業務改善の声が現場からも出て、市長も引き続き力をいれているため、、2014年には、保険窓口業務(国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療保険の受けつけ・システム入力など)の委託を開始。目的は来庁者の待ち時間短縮と、業務量増加・複雑化により非常勤職員への依存が増え、安定した市民サービスの提供に不安があったからとのこと。
2012年の検討会議・ワーキングチーム発足→プロポーサルでの業者選定→2か月かけての引き継ぎ…と、委託開始まで2年6か月をかけているところは丁寧に進めていると思いました。
結果、課題は解消され、年間400万円ほどの経費削減にもなったとのこと(特に残業代は委託前の1/3に)。過重労働がなくなり、職場の雰囲気も良くなっているという。
◆国保滞納や、高額医療費など個人情報にかかわることなので、どのような配慮がされているのか気になっていたんですが、
→プライバシーマーク(日本工業規格JIS。個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を認定)や、ISO27001(組織が保有する情報にかかわるさまざまなリスクを適切に管理し、組織の価値向上をもたらす国際規格)取得を条件にしたところ、だいぶ業者が絞られたとのこと。保険分野に強い業者がいたからできたことだとも思う。さらに、機密保持誓約書も取り交わしているとのこと。
◆市民とのかかわりを持つ場でもあり、ニーズをくみ取る場でもある窓口業務を委託すると、市職員の知識やモチベーションがさがるのではないかと思ったけれど、
→窓口業務全面委託ではなく、時間がかかる業務などは引き続き市職員が対応している。
◆偽装請負とならないように…
→何かあったときは課長職と委託先のリーダーでやり取りをし、仕事場はパーテーションで区切ることで対応している。
どこかの窓口が混雑していても、市の縦割り行政だと他の担当職員が応援に行くことなどできなかったが、窓口の配置変えと受託側の職員がそれぞれの業務を把握していることで、柔軟に対応できるようになったとのこと。
と。簡単ではありますが、今日の報告。明日は兵庫県明石市。「人物重視の新卒採用制度について」。
視察とは直接関係ないですが、市役所前にあった、「池田市民の想い 核兵器のない世界」のオブジェ
子どもたちの安全を守るために設置されたであろう「きんきゅうつうほう」