癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

熊野古道4日目(中辺路)・新宮~熊野那智大社〈22km〉

2014年05月22日 | 登山・旅行
《熊野古道で最も人気の高い大門坂を下りてくる微笑ましい老夫婦》

トイレにも起きず9時間近い爆睡にびっくりして、爽やかな朝を迎えた。
今日は熊野速玉大社のある新宮から三山巡り最後の熊野那智大社の下の那智の滝までの約22km。所要時間は6時間40分だった。

7:30、ビジネスホテルを出て、熊野速玉大社からの古道ルートへ戻る。まず、最初に寄ったのは、速玉大社より歴史が古いとされている阿須賀神社。市街地を抜け、浜王子(王子神社)を過ぎて、まもなくすると海岸に出る。


8:10、最初は堤防の上を歩く。リュウゼツランに似た花が咲いている。さすが黒潮の海だ。堤防の先は砂浜の海岸歩き。足跡がたくさん続いていた。昔の人もこうして歩いたのだろうと感慨深い。

30分ほどで海岸から離れ、高野坂登り口。ここで初めての標識。これまではガイド地図を頼りにやってきた。眼下に黒潮の海を眺めながらの山越えの道だ。途中に石碑や地蔵や弁慶の母親の墓まであった。金光稲荷神社を越えると下り坂になる。


石畳の敷き詰められた高野坂を下ると、三輪崎の町に入る。国道42号線をしばらく歩く。途中の佐野王子跡は見落とした。かなり歩いてから気付いたのでパス。
その後、国道42号線から小狗子峠と大狗子峠の旧道を抜けると、浜ノ宮に入る。


11:20、浜の宮王子(熊野三所大神社)と隣り合わせの補陀洛山寺に到着。どちらも熊野信仰とは密接な関係のある神社と寺だ。神仏習合の名残を感じる。
那智山へ向かう県道を少し進んだ後、旧道へ入る。


荷坂峠を越える谷の中の竹林の中を通るせまい古道に新鮮な感動を覚える。
北条政子の尼将軍供養搭の過ぎると、市野々の集落の中の旧道に降りる。
市野々王子神社を越えると大門坂入口が近い。登りに備えて、大門坂駐車場で非常食で簡単な腹ごしらえ。


13:05、いよいよ大社への参道・大門坂にかかる。ここを登るのは、一昨年の大峯奥駈道から下山後以来2度目だ。

杉の巨木に囲まれた苔むした石段の道は、熊野古道の中で最も人気の高いスポットである。


大門坂を抜け、急な石段の続く参道を登り詰めて、13:40、熊野那智大社に辿り着く。


門を隔てた青岸渡寺の境内からは、那智ノ滝と三重の搭が見える。

14:10、さらに、下まで下って那智の滝を見上げて今日のゴール。滝からバス停まで戻る。今日の宿は勝浦温泉なので、バスて移動しなければならない。


バスを待つ間に、観光地値段で高かったが、売店でみつけた「熊野古道麦酒」で安着祝い。

今日の宿は、勝浦温泉駅近くの素泊まり専門の「お宿はな」。ネット上での評判が非常に高い宿だ。口コミも非常に多く、総合評価4.5以上というのが凄い。

その理由に納得。30代とおぼしき若女将がきれいな上に非常に感じの良いこと。建物は古いが掃除が行き届き、あちこちに若女将のセンスの良さと細かな心遣いが散りばめられている。自由に飲めるドリンクコーナーや種類の多いフリーアメニティコーナーもある。温泉も順番の予約性なので、貸し切りで気兼ねなくゆっくりできた。これで3500円ならみんな大満足なはずだ。