BROOCH ブローチ

   ちいさな ことばを  そっと  むねに かざる

「カーネーション」の終わり

2012-03-31 | Education

今日は平成23年度の終わりの日です。

今日を区切りに退職なさる方々、異動なさるみなさんとのほんとうのお別れの日です。

「カーネーション」NHKの朝のテレビ小説が終わりました。最後は主人公が残された家族におくる言葉か語られます。いろんなことで頼りにしていた人、心のよりどころにしていた人、ここにいるのが当たり前だとうたがわないできてしまった人からの、あたたかいメッセージのように思いました。

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泣かんでええ。泣くほどのこととちゃう。

うちはおる。

あんたらのそば、

空、

商店街、

心斎橋、

緑、

光、

水の上、

ほんで、ちょっと退屈したらまた、

なんぞおもろいもんを探しに行く。

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研究は楽しい

2012-03-28 | Education

「趣味は研究です。」というと、ちょっと驚かれます。

確かに、正しい反応です。私もそう言われたら、「どうして?」「いつから?」「何について?」なんて矢継ぎ早にきいてしまいそうです。ですから、ふだんは、「趣味は?」と問われたときは「読書」とか、「散歩」とか、「寝ること」とか、「おいしいお酒を見つけて飲むこと」とか、そのときどきのほかの趣味を言うようにしています。

気がつくと、なにか目の前にあることの意味や、そのおおもとにあるものについてずっと考えてしまう、というのは趣味と言うよりくせのようなものなのかもしれません。それは、子どもとの毎日の学びについてであったり、いろんな研究会で出会う人たちにとっての学びについてであったりすることが多いです。そうして気になるあれやこれやを研究の言葉にすることができると、ぱあっと目の前が開けてくるような気持ちになります。ああ、そうだったのかと。

というわけで、このところ自分のずっと気になっていることを研究の言葉にすることに時間を使っています。悩んで苦しんで、でもそのあとにはすっきりするような「ああ、そうだったのだ」と、ぱあっと世界が広がるような気持ちが待っていると信じて。。。。。

今取り組んでいるのは、このところ一緒に研究していた若い先生たちが研究授業をしてどのような学びがあったのかということです。先日その若い先生にこの分析を見ていただいて感想をうかがうことができました。そしたら、とっても喜んでくださって、ご自身の体験の意味を客観的に見ることができたと語ってくださいました。ああ、よかったなー。研究するって、誰かを勇気づけたり、一歩前へと進む力になったりするものなのだなあと、思いました。

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おわりはじまり

2012-03-26 | Education

春休みになりました。かわいい3年生の子どもたちともお別れです。

最後の国語の授業には、集めておいた今までの国語のノートを配りました。1ページ目は「3年生になって」という題で書いた始業式の日の作文です。次のページは自分の宝物のスピーチの学習の計画、「消しゴムころりん」「わすれられないおくりもの」と続きます。どの物語の学習も、初めに書いた感想を一覧にしたものが貼ってあります。初めて学習したときから、どんどん内容も分量も増えていく様子がよく分かります。「ファンタジーを書こう」のページは、読んでくれた友達の花丸がいっぱいです。ノートにはインデックスが貼ってあって、そのノートにはどの学習までが記録されているかが一目で分かります。そして、最後に教科書にある「これまで、これから」に学習の振り返りと、これからの思いを書きました。3年生はオワリ、でもそれは4年生のハジマリ。

かりゆし58の「オワリはじまり」という曲の歌詞にこんな言葉があります。

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夕飯時  町  人いきれ  「ただいま」と「おかえり」の色

せわしない  木漏れ日  花びら  「おはよう」と「さよなら」の音

ありふれた日々が 君や僕の胸に積もって光る

 

今  動き始めたものや  もう二度と  動かないもの

今  灯り出した光や  静かに  消えていく光

この夜の向こうで  新しい朝が  世界に降り始めている

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平成23年度が終わりました。でもすぐそばにくっついている明日の新しい朝が、世界に降り始めています。

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論理的思考を鍛える国語科授業方略

2012-03-13 | Education

恩師である井上尚美先生編集の本です。

『論理的思考を鍛える国語科授業方略 ―小学校編―』井上尚美・大内善一・中村敦雄・山室和也 編集 (渓水社)

なんと井上先生からお送りいただいて、緊張して本を手に取りました。添えられた手紙に、

「先日、○○学会でのご発言、とてもよかったです。」

とありました。恩師からのあたたかい言葉は、心にしみわたりました。いくつになっても、先生からほめていただくことのなんとうれしくはずかしく、そして勇気づけられることか。子どもたちがほめてもらって満面の笑みをうかべる時の気持ちがよくわかります。

お世話になっている山室先生からも、送っていただき、2冊になりました。大事に、大事に読んでいます。

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言語論理教育の目指すものは、物事をできるだけ深く・広く考えて、総合的に判断し・評価をする能力をつけるということにある。これは、別の言葉でいえば「子どもに哲学を教える」ということに他ならない。

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3月11日

2012-03-11 | Education

3月11日 午後2時46分 今日は近くの河原を走っていました。少年野球チームやサッカーチームの子どもたちが練習しているグラウンド、土手の道にはたくさんのウォーキングとジョギングとサイクリングの人たち。しばらく走ると、ヘリコプターの着地できるヘリポートがあります。そこでは、ご年配の男性がひなたぼっこ。そこにあるゆったりした風景と、久しぶりのあたたかな太陽の日ざしが、そこにはありました。

 

3月に入ってから、選んで本を読んできました。

『それでも三月は、また』谷川俊太郎、多和田葉子、重松清、小川洋子、川上弘美、川上未映子、いしいしんじ、J・D・マクラッチー、池澤夏樹、角田光代、古川日出男、明川哲也、バリー・ユアグロー、佐伯一麦、阿部和重、村上龍、デイヴィッド・ピース 著(講談社)

17人の作家のアンソロジーです。明川哲也さんの「箱のはなし」は、通勤途中に読んで涙がこぼれてしまいました。

 

 

『人を助けるすんごい仕組みーボランティア経験のない僕が日本最大の支援組織をどうつくったか―』西條剛央著(ダイアモンド社)

数年前に西條さんの質的研究ワークショップに参加したことがあります。西條さんらしさが満ちあふれています。

『できることをしよう。―ぼくらが震災後に考えたこと―』糸井重里 ほぼ日刊イトイ新聞著(新潮社)

糸井さんは今日は気仙沼、志の輔師匠と3月25日には気仙沼で落語会を開くそうです。行きたかったですが残念ながらかないませんでした。

『萩尾望都作品集 なのはな』萩尾望都著(小学館)

書店で偶然手に取りました。比喩でありながら直球ストレートです。

しずかに勇気づけられ、小さな一歩を踏み出す力をもらいました。 

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ふわふわ

2012-03-10 | Education

村上春樹著『ふわふわ』講談社

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僕は世界中のたいていの猫が好きだけれど、この地上に生きているあらゆる種類の猫たちの中で、年老いた大きな雌猫がいちばん好きだ。

その猫が長い間使われていなかった広い風呂場を思わせるような、とてもひっそりとした広がりのある午後に、太陽の光のあふれた縁側で昼寝をしているとき、その隣にごろりと寝転ぶのが好きだ。

そこで目を閉じて、あらゆる考え事を頭から追いはらって、まるで僕自身が猫の一部になったような気持ちで、猫の毛のにおいをかぐのだ。猫の毛はすでに太陽の温かさをしっかりと吸いこんでいて、いのちというものの(おそらくは)いちばん美しい部分について、僕に教えてくれる。そんないのちの一部が数かぎりなく集まって、この世界のそのまた一部をつくりあげているのだということを、僕に知らせてくれる。この空間に存在しているものは、きっとどこか別の空間にも存在しているのだ。

僕はそのことを感じる。僕はやがて、ずっとあとでどこか別の場所で(思いもかけないような場所で)、それを知ることになるだろう。「なあんだ、ここにあったのか。」と。

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中学2年生の国語の教科書に掲載されている村上春樹さんの短編をめぐって、今日一日考えることになりました。

そして昨日は、立松和平さんの『海のいのち』について考えていました。

2日にわたって「いのち」をテーマにした文学作品について、多くの人たちと意見を交流することが、すべてつながっているのを感じました。「なあんだ、ここにあったのか。」と。

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ちはやふる

2012-03-03 | Education

今日は百人一首大会でした。

毎年学校代表3名が参加している行事です。今年は校内事情の関係で参加できないことになったのですが、思いがけず参加できることになりました。いろんな方が、参加したいという思いに動いてくださったことに感謝して、それでは結果を出そうと、子どもたちと毎日早朝練習の日々を過ごしていました。1回戦11枚差で勝利、2回戦、相手は昨年の準優勝校、最後に運命戦(互いに1枚ずつ残る)になって、最後敵陣を抜いて勝ったとき、相手チームは涙だったそうです。そして3回戦。同じように最後に運命戦になり、1枚差で敗れてしまいました。どれほどの緊張と集中力だったかと思うと、すべての選手に拍手を送りたい気持ちです。

その朝練のときに、この本が話題になりました。

『ちはやふる』末次由紀著(講談社)

講談社漫画賞などを受賞していて話題の本でしたが、大人買いするのはちょっとはばかられ、今まで手にしていませんでした。いやいや、おもしろいです。もったいなくて、ゆっくりゆっくり読んでいます。もっとはやく読めばよかった!!

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計画と無計画のあいだ

2012-03-01 | Education

『計画と無計画のあいだ』三島邦弘(ミシマ社)

いわずとしれたミシマ社の三島さんが書いた「自由が丘のほがらかな出版社」の話です。

ミシマ社通信にこの本のことが紹介されていました。また3月がきました。あの日から一年が過ぎようとしています。この出来事を契機にして書かれた本の一冊です。

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まっ白な紙の上に一本の線を引いてみる。

すっ。

それができたら、もう一本、最初の線より左側に引いてみよう。

すっ。

で、一本目の線を計画線とでも名づけるとする。この計画線は、決まり事、ルール、常識、規則、秩序、効率性、社会性あるいは防御(守り)、ブンダン主義といった事柄を表すライン。この一線より右側の部分は、絶対に守らなければいけないことや納得のいかない多数派の考えや意見なども含まれる。裏を返せば、このラインさえ守っていれば、あとは自由。

そして、二本目の線を無計画線と呼ぶことにしよう。この線は、文字通り、無計画、柔軟さ、突発性、衝動、無秩序、野生、攻撃、原点回帰といった事柄を表す。この線までは自分が無計画に動いても大丈夫。ただしそれより先は危険エリア。

この一本目と二本目の線にはさまれたスペースこそが、自由のスペースだ。

みなさんの自由は、どれくらいの広さですか。

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 「計画と無計画のあいだ」こそが「自由」

 

うーん、ここで先日読んだ本を思い出しました。

『どのような教育が「よい」教育か』苫野一徳著(講談社)

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公教育の本質をまず次のように定式化したいと思う。すなわち、「各人の<自由>および社会における<自由の相互承認>の<教養=力能>を通した実質化」。

私たちが<自由>になるためには、どうしても相応の<教養=力能>を獲得する必要がある。したがって諸個人の側から見れば、教育とは自らが<自由>になるための<教養=力能>育成を保障してくれるものである。他方この<教養=力能>の根幹をなすのは<自由の相互承認>の理解、つまりその内在化である。したがって社会の側から見れば、諸個人の<教養=力能>を育成することが、同時に社会における<自由の相互承認>をより実質化することに結びつく。

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