A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。
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【ご案内】トゥールビヨン O

2017-07-03 06:19:54 | お知らせ
大阪・Oギャラリーeyesにて開催されます「Tourbillon 0」展にて、テキストを寄稿させて頂きます。
暑い日が続きますが、お近くにお越しの際はぜひテキストと合わせてお楽しみ頂けると幸いです。

■「Tourbillon 0」展
出品作家:朝日奈保子,安藤智,入谷葉子,岡田美紀,小川直樹,小川万莉子,片山浩,川口奈々子,田岡和也,高野いくの,寺脇さやか,中岡真珠美,成山亜衣,長谷川直美,古川松平,山内裕美,吉岡千尋

会期:2017年7月10日(月)~7月22日(土)※日曜日・休廊
開催時間:11時~19時(土曜日は11時~17時)
開催場所:Oギャラリーeyes
http://www2.osk.3web.ne.jp/~oeyes/
TEL/FAX:06-6316-7703
主催:有限会社オーギャラリー
企画:Oギャラリーeyes(O Gallery co.,ltd.)
テキスト:平田剛志(美術批評)

このたびOギャラリーeyes(大阪)におきまして「トゥールビヨン ゼロ」展を開催致します。
Tourbillon(トゥールビヨン)展はOギャラリーeyesにて2003年より毎年開催され、若手を中心にこれまで多くのアーティストの方に出品して頂きました。当画廊のグループ展の中で最も長いあいだ運営され、後にOギャラリーeyesの展覧会運営や方向性に大きな影響を与えてきたことから、今一度これまでの流れと現在の傾向等をかたちにする機会があればという狙いから企画しました。本展では、過去の出品作家の中から、めざましい活躍を見せる作家を中心に出品を依頼し展覧会を開催致します。


-トゥールビヨン0時-
平田剛志

時計を見たとき、時刻がズレていることがある。なかでも腕時計は装着時の体勢が一定でないため、重力による誤差(姿勢差)が生じやすい。そこで、姿勢差を低減させるために考案されたのが、脱進機の構造全体を回転させるトゥールビヨン(Tourbillon「うずまく」を意味するフランス語)である。これにより腕時計はそれ自体の内部構造により、重力からの影響を抑えるのである。
2003年からOギャラリーeyesで始まった「トゥールビヨン」展は、この言葉を起点に、「イメージと表面の現れ方に求心的な力を感じさせる」若手作家を紹介するシリーズ企画である。毎年4人の作家を2期に分けて開催し、これまで56人が展示を行ってきた。本展「トゥールビヨン0」は、同展の過去の出品作家から選抜された17名による総集編である。

本シリーズを振り返り、共通点を挙げるのは難しい。これまでの出品作家は、出身地や経歴、作風もさまざまである。強いてあげれば、本展が時計の機構に由来している点を踏まえて、「過去」への志向が指摘できる。これまでのコメントから言葉を拾うと、「自身を構成するもの(土地や風景や記憶)を改めて捉え」る小川直樹、「見た時に感じていた感覚(温度や匂い、質感)は失われ、そのものの「澱(おり)」のような物が残っている」片山浩、「「色々あるなぁ」を「色々あったなぁ」へ変換する、前向きな埋葬をしている」高野いくの、「時代劇ドラマの夜のシーンを見た時に、その暗がりに意識を惹きつけられ懐かしさのような感情が湧く」古川松平などの言葉からは、過去の経験、記憶へと遡行、回帰し、描かれた絵画だと言えるだろう。
時計は現在時を指す。だが、「トゥールビヨン」展で感じるのは、時計の時刻がズレている、「過去」だと感じた時の「揺らぎ」ではないか。現在時刻に不安や疑念が湧くようなあの瞬間と違和感は、絵画を見るときに体験する不可思議な感覚に通じる。それは、安定していた現在という時刻が逸れ、重力が揺らぐ体験である。
ゆえに、展覧会を見るときは時計を外すべきである。時間を気にしてはいけない。「いま」という時間を意識せず「うずまき」に身をまかせること。時計を外し、絵画を通じて「現在」を感じ(させ)ること。その時、絵画は時計のように、私たちに今を生きているということを感じさせる。本物の絵画は時流から外れても、いつも「現在」を生きているのだから。 


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memorandum 531 欠点

2017-07-01 22:15:54 | ことば
 人類の別の欠点としては、みんなつくりたがるのに、誰もメンテナンスをしようとしないことが挙げられる。


カート・ヴォネガット『これで駄目なら』飛鳥新社、2016年、134頁

人間が健康診断や人間ドックなどでメンテナンスをするように、人類がつくるものにもメンテナンスはいる。
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memorandum 530 異常

2017-06-30 06:49:36 | ことば
 何日かいいことが続いたなら、いいほうの異常が続いたってことだ。

カート・ヴォネガット『これで駄目なら』飛鳥新社、2016年、134頁。

人生、異常だらけだ。
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memorandum 529 人生の目的は

2017-06-29 21:24:52 | ことば
 人生の目的は、愛すべき人を愛すること。自分の人生をコントロールできていないと感じていてもだ。

カート・ヴォネガット『これで駄目なら』飛鳥新社、2016年、132−133頁。

愛すべき人もいなければ、自分の人生もコントロールできていない。
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memorandum 528 芸術にかかわること

2017-06-28 14:10:39 | ことば
 芸術にかかわることで、うまくできてもできなくても、魂は成長する。ほんとのことだ。シャワーを浴びるときは歌い、ラジオを聞いて踊るんだ。語り手になろう。

カート・ヴォネガット『これで駄目なら』飛鳥新社、2016年、132頁。

うまくできようが、できなかろうがやってみる。
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memorandum 527 これで駄目なら

2017-06-27 21:41:49 | ことば
物事がうまく、きちんと進んでいるときには、ちょっと立ち止まってみて欲しい。そして、大声で言ってみるんだ。「これで駄目なら、どうしろって?」

カート・ヴォネガット『これで駄目なら』飛鳥新社、2016年、47頁。

これで駄目なら、どうしろって?
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memorandum 526 テレビとコンピュータ

2017-06-26 11:35:48 | ことば
 テレビとコンピュータは君たちの友達じゃないことを覚えておくんだ。コンピュータなんて、スロットマシンで遊んでいるのと同じだ。そういうものは君たちに、静かにそこに座ったままで下らないものを買い、ブラックジャックをするみたいに気軽に株式取引をやってもらうためにあるんだ。
 教育を受け、思いやりのある人々だけが、記憶に留める価値があり、愛し続けることができるものを他人に教えることができる。コンピュータとテレビには無理だ。


カート・ヴォネガット『これで駄目なら』飛鳥新社、2016年、44頁。

スロットマシンとテレビとコンピュータが同じカテゴリーとは・・。たしかに光景としては同じだ。
友達かどうかは、愛し続けることができるものを他人に教えることができるかどうかにある。



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memorandum 525 批評家の活動

2017-06-25 23:16:39 | ことば
批評家の活動のすべては、現実の前に立って、"われ、いま、なにをなすべきか"、あるいは、"われら、いま、なにをなすべきか"というみずからにむかっての問いのなかから生まれます。

福島辰夫「個人像をめぐって—友人X氏への手紙—」『福島辰夫写真評論集 第1巻 写真を発見する世界』窓社、2011年、30頁。

批評は、いつも問いから生まれる。
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memorandum 524 思想

2017-06-24 06:24:33 | ことば
一枚の写真は一つの思想だ。

福島辰夫「個人像をめぐって—友人X氏への手紙—」『福島辰夫写真評論集 第1巻 写真を発見する世界』窓社、2011年、23頁。

思想を見たい。
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memorandum 523 現実

2017-06-23 09:56:38 | ことば
 写真家は、あくまでも写真にむかうべきものではなくて、現実にむかうべき存在です。映像にむかうべきものではなくて、現存する世界の総体にむかうべきものだと私は思います。

福島辰夫「個人像をめぐって—友人X氏への手紙—」『福島辰夫写真評論集 第1巻 写真を発見する世界』窓社、2011年、15頁。

いま、現実にむかっている写真家はいるだろうか。
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