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ルネサスが米国半導体メーカーIntersilを買収

2016-09-18 15:26:39 | IoT、AI
ルネサスが米国半導体メーカーIntersilを買収する。

ルネサス、米半導体を買収、英アーム支配を回避―車載向け設計標準で危機感、アナログに活路(2016/09/14 日経産業新聞)
半導体大手のルネサスエレクトロニクスは13日、米同業のインターシル(カリフォルニア州)を買収すると発表した。買収金額はルネサスの2016年3月期の連結純利益の約4倍にあたる約3250億円。巨額買収に駆り立てた要因のひとつに、じわじわと半導体業界への支配力を強める設計専業の英アーム・ホールディングスの存在がある。「両社の製品は相互補完的で、組み合わせれば競争力の高い製品ができる。既存顧客に対しても強い提案力を発揮できる」。この日、都内で記者会見したルネサスの呉文精社長兼最高経営責任者(CEO)はインターシル買収の意義を語った。呉社長は「インターシルの(主力製品である)電源制御用のアナログ半導体は(ルネサスにとって)欠けていたパズルのピース」と説明する。ルネサスの競争力の源泉になっているのが車載や産業機器向けのマイコンだ。呉社長はこれにインターシルのアナログ半導体を組み合わせた製品開発を急ぐ方針を示した。そこには既存事業の延長線をたどるだけではやがて競争力を保てなくなるとの危機感がにじむ。
■自動運転が契機
ルネサスは円高進行や5年半前の東日本大震災で主力工場が被災し、経営危機に陥った。危機から脱するために不採算事業から相次ぎ撤退した。受注変動の激しいスマートフォン(スマホ)や家電向けのマイコンから、高い信頼性が求められる自動車や産業機器向けのマイコンに経営資源を集中していった。ルネサスが再建に追われている間、車載用半導体を巡って2つの大きな変化があった。ひとつは自動車産業が自動運転技術の開発にカジを切ったこと。そしてスマホ用CPU(中央演算処理装置)を制したアームが車載分野にも浸透し始めていることだ。アームのサイモン・シガースCEOは「次の成長分野は自動車」と明言する。未来の車を「走るスーパーコンピューター」と位置付け、自動運転分野の研究開発費を積み増す方針も示している。アームは、孫正義社長が率いるソフトバンクグループの買収で非上場会社になり、投資家の意向を気にせずに研究開発に取り組める状況にある。エンジンを制御するマイコンや大規模集積回路(LSI)はわずかな遅延も許されない高いデータ処理性能が必要だ。新規参入は難しく、ルネサスのほかオランダのNXPセミコンダクターズ、独インフィニオンテクノロジーズが依然強い。ただ、自動運転技術の普及で需要が高まるとみられるのは、データを処理するための半導体だ。カメラやセンサーで集めた膨大なデータを高度なソフトウエア技術で処理しなければならないからだ。ここではスマホで鍛えられたアーム設計の半導体が強みを発揮する。アームが用意する豊富なソフトによって安価にシステムを設計することも可能だ。自動車部品メーカーも「自動運転関連の情報処理用の半導体はアームが標準となりつつある」と口をそろえる。アームは車載用半導体の成長領域を支配し始めているというわけだ。アームの設計仕様が席巻すれば、ルネサスが独自に磨いてきた機能を搭載できなくなり、競合他社との違いが打ち出しにくくなる。しかも、アームの設計仕様に準拠した半導体を作ることになり、アームにライセンス料(設計料)を支払わなければならなくなる。これまで注力してきた車載分野が競争力を保てる安定収益源ではなくなる。
■千載一遇の機会
ルネサスが買収するインターシルは、電圧制御用のアナログ半導体に強みを持つ。バッテリーなど電源から出力した電圧をきめ細かく調整することでルネサスが得意なマイコンやLSI、センサーなどの半導体を省電力で安定的、かつ正確に動作させる役割を果たす。アナログ半導体は参入障壁が高く、ルネサスが求める安定収益を生み出しやすい。また設計技術者のアイデアやノウハウが半導体性能を大きく左右するため標準化が難しく、アームの支配力が及びにくい分野でもある。競合が少なく、米テキサス・インスツルメンツ(TI)や米アナログ・デバイセズなどが米インテルを上回る高収益を維持する。アナログ半導体の設計技術者は「他の半導体分野の技術者の3倍の給与水準で囲い込まれている」(大手半導体メーカー幹部)という。ルネサスの呉社長は「アナログ半導体の市場は寡占化に近づいており、(今がインターシル買収の)千載一遇のチャンスだった」と述べる。車載用半導体にも押し寄せるアームによる標準化の波。ルネサスはインターシル買収でアームの標準化に対抗する。それにはインターシルとの技術的融合が不可欠だ。
※アナログ半導体 「0」か「1」かのデジタル信号ではなく、不規則な波長のアナログ信号を入出力する半導体。磁気や圧力、光、音、電気の流れ、回転や直線運動などあらゆる自然現象の動きを電子機器とつなぐ仲介役になる。スマートフォンや自動車など電子機器を搭載する幅広い最終製品に使われる。CPU(中央演算処理装置)やメモリーなどデジタル系の半導体のように最先端の微細加工技術は必要なく、回路設計技術が精度や省電力性能を左右する。

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