信州・佐久で、ものづくり

信州・佐久在住の「ものづくり」の裏方である生産技術一筋二十数年。一芸より多芸を求められる人間から見た「ものづくり」論。

権力ではなく方法論としての官僚方式の欠点

2016年04月09日 09時07分38秒 | 日記

裏で政治家を操るだの、権力の中枢にいるだの、高給取りだの言う話ではありません。

組織の活性化のため特に若年層の積極的提案を経営に反映するためにスタッフ要員に部門計画(投資計画)を作らせ経営者層にプレゼンテーションを行い、経営判断を行う会社が増えているようです。

確かに組織レベルでは最新技術の基づく設備が導入され、新製品を生み出しているようですが、現場レベルでは設備の細かな欠陥やメンテナンスが放置されているように思われます。つまり最新技術を持っているのに総合的な現場力は貧弱、ということです。資金の潤沢な組織なら導入メーカーにメンテナンスさせたり、ユーティリティを含む維持・管理をアウトソースできるのでしょうが、組織内の現場力は弱い、ということですね。

部門計画を作るスタッフも当初の自己実現に対する意欲も低下し、というより自分をアピールするネタも尽きてきます。となると「自分はやりたくない」ネタが部門内でパス回しされ、「自分の仕事じゃない」的な意識も膨らんでいくようです。この自分で仕事をセレクトできる環境は組織人としてモラル崩壊となっているのを目の当たりにしています。

モラル崩壊で最大の課題は「組織の抱える課題に真剣に取り組まない」ということ。例えて言うなら組織を動かす動脈にコレステロールが溜まっている、破裂しそうだ。でも、経営層に(組織の課題を明らかに)言えば怒られる、成功しても評価は維持以下、失敗すれば出世できない・プライドが傷つく・・・こんな計算が官僚であるスタッフの頭の中を駆け巡っています。そうだ!隠そう、放置しよう、誰かのせいにしたい・・・

組織にはライン要員もいますが、ライン要員の長だって、そんなリスキーな案件は引き受けません。宙ぶらりんな動脈のコレステロール、いつかは破裂する時限爆弾!これは、あなたの組織でも!

国の官僚でも言えることなのですが、計画が本当に達成されたのか、欠陥や不具合がなかったのか・・・損害や被害があれば責任者を追求するのが国会つまり経営者層の責任ですね。それをしないと時限爆弾は日々増え続け、破裂の時を迎えるのです。


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