さいたま赤十字病院呼吸器内科 『こちら彩の国 呼吸器科』

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慢性過敏性肺炎は難しい

2016年10月16日 | カンファレンス室

今週末は間質性肺疾患の研究会三昧でした。

そのなかで慢性過敏性肺炎をテーマにした勉強会がありました。

慢性過敏性肺炎は特発性肺線維症(IPF/UIP)と臨床上鑑別が難しいとされ、IPFと診断されたままフォローアップしてしまっている症例が多いのではないかと思われる疾患のひとつです。両者の治療方針が違うことから、日常診療においてきちんと鑑別することが重要です。

では、慢性過敏性肺炎はどのように診断、鑑別していくのでしょうか?胸部CT所見としては粒状影が見えること、気管支周囲のすりガラス陰影が目立つこと、モザイク様分布を来すことなど特徴的所見があるとされていますが、いざ読影してみるとIPF/UIPとの鑑別は難しいです。つまり我々呼吸器内科医としては、IPF/UIPを疑う症例においては、常に慢性過敏性肺炎の鑑別をすることが必要と思います。そのきっかけのひとつに気管支鏡(気管支肺胞洗浄)が有用なのかもしれません。診断のために胸腔鏡下肺生検をすることがあり診断に有用とされていますが、病理パターンも色々で、特徴的所見とされている肉芽腫の検出が線維化とともに低下してくると言われています。そして診断がついたら治療に移るわけですが、一番大事なことは原因抗原の同定ですが(抗原回避が一番の治療)、原因抗原不明症例が多く、また鳥を含め抗原が判明しても直接暴露でなく間接暴露だと予後が悪いとされています。つまり慢性過敏性肺炎は、原因抗原の同定、さらには原因抗原の徹底的な回避が出来ないとIPF/UIPと同じ生命予後になってしまうということです。呼吸器内科医の腕の見せ所の疾患のひとつかもしれませんね。

間質性肺疾患のひとつである慢性過敏性肺炎、本当に気の抜けない疾患であることを認識していただけたらと思います。とりあえずは、「慢性経過の間質性肺炎を見たら、慢性過敏性肺炎は大丈夫?」というスタンスで診療してみませんか?

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