臍帯血バンク・シービーシーの犯罪履歴

臍帯血バンク・シービーシーの未公開株詐欺・振り込め詐欺の被害者さま臍帯血保管された皆さまへ

公共の利害に関する場合の特例(230条の2)

2017-05-17 15:54:09 | 日記
 

3 公共の利害に関する場合の特例(230条の2)



(公共の利害に関する場合の特例)
 230条の2
      1項 前条第1項の行為(公然と事実を摘示し,人の名誉を毀損した行為)が
        公共の利害に関する事実に係り,かつ,
        その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には,
        事実の真否を判断し,真実であることの証明があったときは,
        これを罰しない
      2項 前項の規定の適用については,
        公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は,
        公共の利害に関する事実とみなす
      3項 前条第1項の行為(公然と事実を摘示し,人の名誉を毀損した行為)が
        公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には,
        事実の真否を判断し,真実であることの証明があったときは,
        これを罰しない





      (1) 意 義

 上述のとおり,230条1項は,(生者の場合)摘示した事実の真否を
問わず名誉毀損罪として処罰することとしています。
 しかし,民主主義社会においては,正当な批判の前には個人の名誉の保護も
ある程度(虚名剥奪の線まで)譲歩しなければならないと考えられます。
 そこで,230条の2は,事実の真実性に関する挙証責任を被告人負わせる
ことを条件として,真実の言論について免責を認めることとしています(昭22追加)。
 このように,本条は,個人の名誉の保護と正当な言論の保障との
調和を図る趣旨で設けられた規定であるといえます(後掲最大判昭44・6・25)。




      (2) 不処罰の要件


 230条1項の名誉毀損行為であっても,次の3つの要件を充たすときは,
罰しないとされます(230条の2第1項)。

 ①摘示された事実が公共の利害に関するものであったこと(事実の公共性)

 ②摘示の目的が専ら公益を図ることにあったこと(目的の公益性)

 ③事実が真実であることの証明があったこと(真実性の証明)





* 起訴前の犯罪行為については
①が擬制されます(同条2項)。
公務員に関する事実については,
①と②が擬制されます(同条3項)(後述)。





       ア 1項の場合

 本特例の一般的規定である1項の場合,上記のように,

①事実の公共性,②目的の公益性,③真実性の証明が要件となります。




        (ア) 事実の公共性

 名誉毀損行為が「罰しない」とされるためには,
第1に「公共の利害に関する事実」に係るものでなければなりません。





意 義

 「公共の利害に関する事実」とは,
「一般多数人の利害に関する事実」を意味します(曽根・中森・山口)。
 社会全体の利害であることは必ずしも要せず,
ある小範囲の社会に関するものでも,
その構成員のみに公表するときは,公共性が認められます。





* 自動車教習所の労働組合員の非行事実を,
一般の教習生に対して公表するような場合には,
公共性は否定されるでしょう(大阪地判平4・3・25)。





私人の私生活の行状

 「私人の私生活の行状」については,原則として公共性は認められません。
ただし,その携わる社会的活動の性質及びこれを通じて社会に及ぼす
影響力の程度などのいかんよっては,
その社会的活動に対する批判ないし評価の一資料として,
「公共の利害に関する事実」にあたる場合があります

(最判昭56・4・16<月刊ペン事件>)。



   * 多数の信徒を擁する宗教団体の会長が,
その地位を背景として直接・間接の政治的活動を通じ,社会一般に対しても
少なからぬ影響を及ぼしている等の事情のある場合には,
同会長の女性関係が乱脈をきわめており,関係のあった女性2人が
同会長によって国会に送り込まれた等の事実は,
「公共の利害に関する事実」にあたるとされた事案です。




判断方法

「公共の利害に関する事実」にあたるか否かは,
摘示事実自体の内容・性質に照らして客観的に判断されるべきです。
 摘示の際の表現方法や,事実調査の程度などによって,
左右されるべきものではありません(前掲最判昭56)。


   ※ 上記判例は,これらの事情は,公益目的の有無の認定等に
     関して考慮されるべきであるとしています。





        (イ) 目的の公益性

 本条が適用されるためには,
第2に,名誉毀損行為の「目的が専ら公益を図ることにあった」
と認められる場合でなければなりません。


「目的」とは,動機のことです。
公共の利益を増進させる動機によることを要するので,
恐喝の目的,弁償を受ける目的,読者の好奇心を満足させる目的,
恨みをはらす目的であるときなどは,
これにあたりません。

 法文には「専ら」と規定されていますが,
「主たる動機」が公益を図ることにあれば足りると
緩やかに解されています(下級審判例・通説)。
唯一の動機で行動することを人間に期待することは
実際上困難だからです。





        (ウ) 真実性の証明



 第3に,「真実であることの証明」が必要です。

挙証責任の転換
 真実性の証明は被告人が行わなければなりません。
事実の真否に関する挙証責任が被告人側にあるということです。
 審理の結果,真否が不明に終わったときは,
証明があったとはいえないということになります。




証明の対象

 事実の真実性については,摘示事実の全部ではなく,
その主要な部分について証明すれば足ります。
 なお,たとえば「AがBから金をもらったとの噂がある」
という形で事実を摘示した場合は,そのような「噂があること」ではなく,
「噂の内容をなす事実」(Aが金をもらったこと)
が証明の対象となります(最決昭43・1・18)。


* ただし,犯罪の容疑を摘示した場合については,容疑があるということ
自体が人の社会的評価を低下させるものであること,
犯罪事実の立証を私人に要求することは酷であることから,
証明の対象を,容疑の内容ではなく,
容疑の存在と考えるべきであるとする見解が有力です
(曽根,同旨;伊東・山口,大阪高判昭25・12・23参照,なお大塚・大谷)。


これに対して,この種の事例については,証明の対象いかんではなく,
35条による違法性阻却として解決すれば足りるとする
見解も主張されています(堀内・中森『大コメ』・西田・佐伯)。



* その他,本要件に関する訴訟法的な論点を挙げておきますので,
刑訴法の勉強をしたら考えてみてください。




①事実の公共性・目的の公益性の要件が充たされない場合に,
真実性の証明をすることが許されるか。

この点については,
A.情状立証のために許されるとする見解(大塚,なお山中)と,
B.プライバシー保護の見地から許されないとする見解
(平野・大谷・西田・高橋・伊東・山口など多数説)があります。


②証明の方法については,
A.「自由な証明」で足りるとする見解もありますが(小野),
B.通説は,刑訴法の一般原則にしたがって,「厳格な証明」
によるとしています
(東京高判昭59・7・18,大塚・大谷・山中・伊東,
なお最大判昭44・6・25参照)。



③証明の程度については,
A.挙証責任を転換した意味が失われないよう,
「合理的な疑いを容れない程度」の証明が必要であるとするのが
下級審判例・従来の通説です
(前掲東京高判昭59,大塚・中森・山中・日高・前田・佐久間)。
ただし,近時は,
B.被告人の証拠収集能力が劣ることなどから,
「証拠の優越の程度」の証明がなされれば足りるとする見解も有力です
(藤木・大谷・曽根・西田・高橋・伊東・山口)。




       イ 2項の場合

 本免責規定の一般的要件は,上記のとおり,
①事実の公共性,
②目的の公益性,
③真実性の証明ですが(230条の2第1項),
これには2つの特則があります。



意 義

まず,「『公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実』は,
公共の利害に関する事実とみなす」とされます(同条2項)。

このような事実を公表することは,捜査に協力するものであり,
また世論の監視下に置いて捜査の懈怠を防ぐ意味をもつことから,
公共性は認められるわけです。



したがって,「起訴前の犯罪行為に関する事実」を摘示した場合には,
②目的が公益を図ることにあり,かつ,
③真実であることの証明があれば,
「罰しない」とされることになります。





「公訴が提起されるに至っていない」
「公訴が提起されるに至っていない」犯罪事実には,
捜査開始前のもの,捜査中のもののほか,
すでに検察官が不起訴処分としたものも含まれます。

他方,時効・恩赦などにより法律上公訴提起の可能性が
なくなったものは除かれます(大塚)。
前科の公表は含まれませんので,
1項の要件のもとでのみ許されることになります(西田)。





「目的の公益性」は擬制されないことに注意

 本項の場合,
②「目的の公益性」は擬制されないので注意してください(
次項と混同しないように)。

たとえば,短答式試験において「捜査中の刑事事件の被疑者に
関する事実については,もっぱら私怨をはらすためであっても,
事実が真実であることを証明すれば,処罰されない。」
という肢は,「誤り」ということになります。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 健康被害の可能性がある臍帯... | トップ | 法律違反の再生医療、注意呼... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。