自給自足讃歌の薄味作品
東北の小森という集落で、都会生活から実家に舞い戻ったすこぶる美女が農業をしながら自然の恵みに癒された生活をするというストーリーの映画。
秋･冬、春･夏の２部作。
農作業は有機農法で小欄で紹介している合鴨農法を演じている。さらに合鴨の命を食べることも演じている。
作品は自然と共存する生活の素晴らしさを描いている。もともとコミック雑誌の連載を脚本として書き出したようで、農作業の困難な、いや農民の過酷な実態を見ることはできない。
なにせ、主人公が橋本愛というモデル出身であまちゃんでデビューした美人女優なので、過酷な農作業で鍛えられた肌の色艶や皺とは無縁のリアリティー皆無の人間の営みなのである。
自然と共存して里山という社会資本を有効に利用する。食べて生きていくの自分が食べるぶんだけ収穫できれば良い。こうした自然主義の生き方を紹介する作品である。
この薄味の映画作品に思わず引き込まれたのは、１年間、農地に滞在して撮影した映像の美しさにある。
森のや情の変化、森の精に守られるているかのような秋･春の木々、枝･つぼみの精気。可憐と妖艶の開花、情緒の芳香の秋、白色と銀光の冬。
この自然の美に囲まれた自給自足生活は過酷な農作業も収穫の喜びの糧とすることができる。と思わせる魅力があります。
