海のパンセ

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遠心力と求心力-中国は分裂するか?

2017-02-11 | 歴史、文化
〇昨年の驚いた事件は①トランプが大統領なったこと、②英国がEUを離脱したことだ。
二つの出来事は、冷戦終了以降、いや戦後いらい、世界は統一の方向に向かいつつあるという壮大な幻想が壊れはじめた。

〇特にEU離脱は衝撃が大きい。EEC(ヨーロッパ経済共同体)→EC(ヨーロッパ共同体)→EU(ヨーロッパ連合)と、ヨーロッパが60年以上かけて築いてきたユーロッパ合衆国の夢がシャボン玉のようにはじけた。
ヨーロッパは確実に求心力から遠心力が作動し始めた。遠い理想よりも足元の現実に重きをおきはじめた。

〇西欧諸国はカール大帝の夢見たヨーロッパ統合に挑戦し苦慮している。
眼を転じて、東洋の中国は、相変わらず明・清以来の版図を誇って、強固な統一性を保っているように見える。

〇なるほど、中国は百以上の民族のいる・多民族国家である。
加えて、この国はこれまでに民族国家としての経験がない(辛亥革命、中華民国の初期に萌芽はあったが)。

〇いま中国共産党政権が国家統一を維持している紐帯は、民族や文化や言語や宗教でない。
国家をまとめているのは、①武力(警察も含め)と②イデオロギー(共産主義、毛沢東思想)の二点である。

〇②のイデオロギーの面での締め付けは、既に、とても危うい状況である。
人民のなかで本当に上記のイデオロギーを信奉しているのは、一割にも満たないだろう。あとの人間の頭の中は、金儲け、事業拡大、出世、海外旅行、買い物などでいっぱいである。

〇結局、武力によるタガでギュウギユウと締めているだけだ。
いま、武力の締め付けが弱体化したら(すなわち、求心力が失い・遠心力が働くとしたら)、中国は四分五裂するだろう。さらに内戦の可能性も含んでいる。

〇理由は複雑多岐であるが、約めると次の2点である。①漢民族同士でも地域間格差、②南北対立がある。
それだけでなく、プラス③漢民族の横暴に対しての他の民族の恨みや反感が沸点に達している。

〇①地域間格差、中国の沿岸部と内陸部の経済格差の甚だしさ。恐らく10対1位の比率だろう。沿岸部の富は内陸部を潤さない。前者はますます富み、後者はますます貧しくなる。
②に関しては、昔から「南船北馬」と言われているようにもともと両者は文化・言語の差異ある。ヨーロッパに譬えれば、ドイツとスペインほどの差異がある。具体的にいえば、北京語圏と広東語圏の対立.いちおう、北京官語が標準語とされる。けど、ドイツのベルリン方言をスペイン人にも標準語だとして押し付けているのと同じ意味だ。

〇漢民族と他民族の対立はもっと深刻である。
今すぐにでも漢人の軛から抜けたい三民族がある。すなわち、①チベット人(チベット仏教)、②ウイグル人(イスラム教、トルコ系)、③モンゴル人(2000年の漢蒙対立、チベット仏教)。

〇英語学者・渡部昇一が面白いことを言っていた。
漢民族がもし分裂するなら、スケールメリット的に考えて中国四大料理レベルで分かれだろう、①北京(領土、華北+東北)、②広東(同、華南)、③上海(同、華中)、④四川(同、西部)。

〇内部で分裂するなら、四つか五つ位になるのが妥当だろう。
それに前記の三異民族国、計今の中国は七つの国に分かれる。

〇いまの中国は経済の自由はあるが、政治の自由はない。政治的な欲求は武力で抑圧している。
共産党政権はいずれかの時期に政治の自由化を齎さざるを得ない。たぶん、5年以上二十年未満の射程で。その時、中国が私の予見したような展開するかどうか微妙である。ただ、間違いなく幾つかに分裂はする。

〇分裂を喜ぶのは、米欧露の国々だろう。
日本にとっては、東アジアにおける不安定な要因が増えるだけだ。必ずしも、うれしい話ではない。だが、現実は受容せざるを得ない。

〇その時、朝鮮半島がどうなっているか。また、台湾の状況がどうなっているか。
極めて、危うく、薄氷を踏むような世界が現れる。

〇中国分裂は、新たな漢文明の創造のために避けては通れない。
果たして、その次に再統一のチャイナ連邦が産まれて来るだろうか?

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