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是(こ)の鳥や、海の運(うご)くとき則(すなわ)ち将(まさ)に南冥(ナンメイ)に徙(うつ)らんとす

2016年12月24日 23時33分25秒 | Weblog

 

荘子:逍遥遊第一(1) 北冥有魚,其名為鯤

北冥に魚あり、其の名を鯤(コン)と為す。鯤の大いさ其の幾千里なるかを知らず。化して鳥と為るや、其の名を鵬(ホウ)と為す。鵬の背(そびら)、其の幾千里な るかを知らず。怒(ド)して飛べば其の翼(つばさ)は垂天(スイテン) の雲の若(ごと)し。是(こ)の鳥や、海の運(うご)くとき則(すなわ)ち将(まさ)に南冥(ナンメイ)に徙(うつ)らんとす。南冥とは天池(テンチ)な り。

 荘子が語る「逍遥遊」(ショウヨウユウ)の世界。開巻劈頭、「鵬鯤」の物語で、一気に彼の物語へと誘い込まれる。

 この世界の北の果て、波も冥(くら)い海に魚がいて、その名は鯤という。その鯤の大きさは、いったい何千里あるのか見当もつかないほどの、とてつもない大きさだ。

 この巨大な鯤が(時節が到来し)転身の時を迎えると、姿を変えて鳥となる。その名は鵬という。その背(せな)の広さは幾千里あるのか見当もつかない。

 この鵬という巨大な鳥が、一たび満身の力を奮って大空に飛びたてば、その翼の大きいこと、まるで青空を掩(おお)う雲のようだ。

 この鳥は、(季節風が吹き)海の荒れ狂うときになると、(その大風に乗って飛び上がり)、南の果ての海へと天翔(あまがけ)る。「南の果ての海」とは天の池である。

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逍遥遊(ショウヨウユウ)
 何ものにも束縛されることのない自由な境地に心を遊ばせること。
「至人」「神人」

(コン)
 はららご。魚のまるい卵。魚子。『爾雅』(釈魚)。
 最も微小なものである鯤(はららご)を、北の果ての冥い海に棲(す)む巨大な魚の名に用いたところ、荘子の面目躍如たるところである。しかも、この鯤が、天空をさえぎって飛翔する巨大な鳥に変身するというのである。我々の常識の世界を超越している。
 この「逍遥遊第一」は、このようにはじまり、次の斉物論篇へとつながるのである。

海の運くとき
 嵐で海の荒れること。「運」は「転」なり『釈文』。

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