さいかち亭雑記

短歌を中心に文芸、その他

気賀の関所の歌 香川景樹『桂園一枝』より

2017年08月08日 | 桂園一枝講義口訳
気賀の関の歌である。ここだけ分ける。

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ことなくて気賀の関だにゆるせしを何を見付のさとといふらん
五五三 ことなくて気賀(けが)の関だにゆるせしを何を見附(みつけ)の里といふらん 文化元年 「袖くらべ」の内 初句、事なくモ

□此の以下雑なり。江戸に行きたる時、桑名荒井など船をきらひてわたらず。本坂越をしたるなり。其の時いなさ細江をわたりし也。此の本坂越をする時、けがの関を越ゆるなり。もとの本街道へ出ると、見付の里なり。何事もなく関守の處を通りて来たるに、何を見付けたぞといふなり。「事」といへば、いつもよからぬ事をいふなり。それ故「事なくて」といへば無難といふことなり。
○これ以後は雑の歌である。江戸に行った時、桑名、荒井などは船をきらって渡らなかった。本坂(の峠)越をしたのである。その時いなさ細江をわたったのだ。この本坂越をする時、けがの関を越えるのである。もとの本街道へ出ると、見付の里である。何事もなく関守の所を通って来たが、何を「見付け」たのかと言うのである。「事」といえば、いつもよくない出来事を言うのである。それだから「事なくて」と言うと無難ということになるのである。
  
※今年のNHK大河ドラマゆかりの地、気賀(※当時は「けが」と読んだ)をうたった香川景樹の俳諧歌である。まさに即興的な「雑」の歌で、景樹はこれに長じていた。

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