さいかち亭雑記

短歌を中心に文芸、その他

身めぐりの本と研修で読みたい本

2017年07月16日 | 
平井茂彦『雨森芳洲』2004年刊
 巻末に「芳洲詠草」を収める。対馬藩の通訳として韓国語の先進的な学習書などがある芳洲は、和歌を晩学で学び、古今集を千回読んで和歌の調べと詞をものにした。対馬に行ったことはないが、橋川文三の文章を読んでから、一度行ってみたいと思うようになった。

思いついたので、地域で顕彰してほしい人の本を何冊かあげてみよう。

佐藤鬼房『蕗の薹』昭和五十六年刊
 詩の守備範囲が広い。狭量な詩歌人には薬。文章には、一種異様なまでの前衛的な詩精神が感じられる。この人、釜石は塩釜の人だから、地域で顕彰して大事にしたらいいと思う。

『玉城徹全歌集』2017年刊
 これは買わなくちゃ、と思って買ったのだけれども、読むひまがない。でも高価で買えなかった歌集が入っているのがうれしい。

うつせみは常なきものと知れれども汲みてわが飲むは不二の涌き水 玉城徹

 この歌は、三島市の柿田川公園に石碑を作るとしたらちょうどいいかもしれない。沼津市は、玉城徹を顕彰する気はないのだろうか。

新村出『朝霞随筆』昭和十八年刊
 竹柏会関係の短文多く、貴重。若い人は茂吉の研究はもういい。こういう本をしっかり掘り下げるべきだ。

話題は変わって、新村出賞の本を検索して私の興味のある本を抄出してみた。

山口佳紀:『古代日本語文法の成立の研究』
秋永一枝:『古今和歌集声点本の研究』
添田建治郎:『日本語アクセント史の諸問題』
沼本克明:『日本漢字音の歴史的研究: 体系と表記をめぐって』
山口康子:『今昔物語集の文章研究: 書きとめられた「ものがたり」』
加藤重広:『日本語修飾構造の語用論的研究』
由本陽子:『複合動詞・派生動詞の意味と統語』
金水敏:『日本語存在表現の歴史』
佐々木勇:『平安鎌倉時代における日本漢音の研究』
上野和昭:『平曲譜本による近世京都アクセントの史的研究』
工藤真由美:『現代日本語ムード・テンス・アスペクト論』

このへんは、ざっとでいいから、めくってみたいと思ったことである。日文系の学部のある大学で、こういう本が図書館にほとんど置いていなかったら、そんな大学には行かない方がいいだろう。






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