週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
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八重桜が満開です

2014-04-15 19:44:52 | 近況報告

    


 いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな


私が一番最初に覚えた百人一首の和歌です。
小さい頃、偉人の伝記マンガが好きで「紫式部」の巻にこの和歌が出てきました。

詠み人は伊勢大輔(いせのたいふ)。
一条天皇の中宮で藤原道長の娘・彰子に仕えた宮中女官です。
名前を見ただけでは男性と勘違いしそうですが、この時代の女官は本名ではなく、父親の役職や縁ある地名や氏族の名前にちなんだ名前を名乗っていました。
(「紫式部」「清少納言」には父親の役職が入っています)


 むかし都のあった奈良の八重桜が、今日はこの九重の宮中で色美しく咲き誇っています


古代の中国で王宮を九重の門で囲っていたことから宮中を意味する言葉となり、さらに九重と八重桜をかけていて。
そして、奈良の栄華をしのばせる豪勢な八重桜だが、今の御代の栄華はいっそう素晴らしいという賞賛も込められて。
これを天皇や名立たる貴族が居並ぶ中、即興で詠んだという若かりし伊勢大輔。

ご門主や勧学がたの前で即興で法話をしなさいと言われたら……海外に逃亡したくなりますね。
いや、堂々とお話しできるよう勉強しましょう。