つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

土田麦僊 軸 躑躅に鳩

2017年06月13日 | 土田麦僊

 

土田麦僊の作品を今4点所蔵しています。

それぞれに美しく好きな作品です。

 

今月入手したのは

「躑躅に鳩」共箱 132.3×24.5㎝ 

 

昭和2年12月、麦僊が写実の追求を離れ、日本画の装飾性を意識し始めたころの作品。

躑躅の花の時期は少し過ぎましたが、描かれた躑躅の枝ぶりの強さと花の赤。

その下に静かに佇むキジバトのお顔がとても優しく上品です。

「平安」は京都の住人という意味でしょうけれど、

まさに「平安」を象徴するような図柄です。

 

「人間は諸々の不浄な欲望を持つ・・中略・・

不浄な欲望から逃れ切る事は神のほか人間には出来ないことと思ふ。

自分は特に清らかな生活を望むよりも寧ろ簡素な生活に入りたいと希っている。

いろいろな繁雑な生活から逃れて本当に孤独な、そして簡素な生活に入る時はじめてしみじみと自分の姿を眺めることが出来るであろう」

麦僊の言葉より

 

この佇むキジバトこそ、麦僊自身であるのでしょう。

「平安」は孤独で、簡素な生活のなかにあるものなのだと知れば

心は落ち着きを取り戻し、歳をとっていく自分にも優しくなれるような気がします。

麦僊の作品全てに感じる「何とも言えない愛おしさ」の素はきっとここに有るのだろうと思います。

 

 

 

東京美術倶楽部鑑定書あり。

※プレートは後日こちらにご提示させて頂きます。

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