場所にまつわる記憶と省察

時間と空間のはざまに浮き沈みする記憶をたどる旅

銚子から犬吠埼へ

2017-06-16 10:17:21 | 記憶、歴史
  6月の中旬の梅雨晴れの1日、銚子、犬吠埼を訪ねた。初夏の海風が気持よく吹きつける岬の旅はさぞかし快かろうという期待感で胸はふくらんでいた。何よりも、予想外の天気の良さだったのだから。
 半島とか岬が人をひきつけるのは、それらが隅っこにあるということが最大の理由だろう。中心からはずれた辺境、そこには私達が忘れてしまっている何かが今も生きているにちがいなく、それをこの目でたしかめてみたい、という、ひそかな願望があるように思える。
  実際、訪れた岬の生活風景は、想像していたよりも鄙びたものではなかった。時折、この地方独特の民家が散見されるものの、概して、どの家も今風のつくりに建て替えられていて、調子抜けした感じではあった。むしろ、銚子から終点の外川までを結ぶ銚子電鉄の一輛電車に乗った時に、ローカルな気分に浸れたのである。古くからこの地は文人墨客が多く訪れたところで、今もその痕跡を残す文学碑などを多く見ることができる。
 海を目の前にする一帯は、潮の香りにまじって、醤油の匂いが漂っていた。外川という坂の多い港町には、がらんとした静けさがあった。
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