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航空機のオーバーブッキングはなぜ起きる?

2017-05-11 15:24:24 | メモ帳

去る4月中旬、米国のユナイテッド航空 (UA)ですでに着席していた乗客を引きずり降ろすという事件がおき、その映像が全世界に流れて、UAは非難の的となった。そして、その原因はオーバーブッキング(過剰予約)だと報道された。

過剰予約がなぜ起きるのかというと、乗客のフライト・キャンセルは避け難いので、損失が発生しないように、どの航空会社でも一定数だけ余分に予約を取るからである。事件直後の日本経済新聞は次のように報じている。

日本の主な航空会社ではオーバーブッキング対策として「フレックストラベラー制度」を導入している。日本航空と全日本空輸では過剰予約による座席不足が国内線で発生した場合、予約便への搭乗を取りやめる顧客に「協力金」を支払う。当日便の振り替えなら1万円、翌日以降なら2万円とする。翌日以降の場合は協力金に加えて宿泊費なども航空会社が負担する

だが、UAの事件は過剰予約だけが原因だとすると、ツジツマが合わぬことがある。機内は自由席ではなく指定席であるから、UAはその座席に2人アサインしたことになるが、それはありえない。なぜなら、例えば25Aという座席を割り振られる乗客はそのフライトでは一人しかいないからだ。百歩譲って、単純なミスで同じ座席を割り振られた乗客がもう一人いたとすると、なぜ先に座っていた乗客が降ろされたのか。また、その座席を割り振られた乗客が一人しかいなかったのであれば、すべての乗客は降ろされた乗客と同じ立場になり、その乗客を降ろしたのはなんらかの別の理由があったことになる。

私は以前ロサンゼルス空港のボーディングカウンターで航空会社の担当者が、すでにボーディング手続きを済ませた乗客に向かって「どなたか明日のフライトに代わって頂ける方はいませんか。明日のフライトのチケットに加えて、当社が無料で本日のホテルを提供し、さらに$500の現金をお渡しします」と叫んでいたのを目撃したことがある。

この事例でもわかるように、過剰予約はボーディングの際に判明する。UAのケースでは、過剰予約に加えてなんらかのミスがあったわけで、「乗客の引きずりおろし」はまったく言語道断な対応だったのである。それを単に「この事件は、慣行化している過剰予約の制度に原因がある」と報じたのはメディアの誤報であるまいか。

さらに、「過剰予約はやむをえない」とする考え方にも疑問がある。いい例が新幹線の指定席券だ。乗客は乗車する前に指定席のチケットを購入し、その席がダブって販売されることはない。もしその乗客が定められた列車をミスしたら、その客の損失である。

一方、航空会社は座席どころかフライトさえも決まっていないオープンチケットを発行する。ここに過剰予約発生の原因があり、改善の余地がある。もちろん、航空機の方が鉄道よりも悪天候による予定便のキャンセルまたは遅延の頻度は多いことは事実だ。しかし、だからといって旧態依然たるオーバーブッキング制度を続けるのはいかがなものか。航空会社の怠慢ではないのか。

ところが、フライトが決まっている航空券が発行されるケースもある。この場合、なんらかの理由により旅行を延期または中止せざるを得ない事情が発生したらどうなるか。損失が発生するリスクは航空会社ではなくチケット所有者が負うことになる。

これについては次回に述べる。

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