加子母の真森人(まもりびと)

東京から移住して加子母で活動する地域おこし協力隊・かしもりがーるのブログ。東京の風を加子母に送ります。

寒の水から生まれるあったか田舎味噌

2012-02-01 10:58:15 | 山村文化あれこれ
今回は林業とは直接関係ないのですが、
女性林業グループ「恵那こぶしの会」の会長・梅田寿美さんが冬場は味噌づくりを
されるということで、取材に行ってきました。
今度3月3,4日に味噌づくり・こんにゃくづくりツアーも開催されるので
その打ち合わせも兼ね、何度か工程を見学させていただきました。



1月20日から仕事はじめ。2月に入る頃まで麹室を開き、味噌を作ります。
10日ほどしか味噌づくりを行わないのは何か理由があるのでしょうか。

実は、昔から「寒の水は腐らない」といわれており、大寒から立春までのお水は
冷たいから腐らない、ということで味噌づくりに最適なのだそう。
そういうわけで、一年のうちこの短い期間だけ、麹室は一生懸命働くのです。



麹室。今年もよい味噌がつくれるように、よろしくお願いします。








まずは丸麦を煎るところからスタート。
この方は毎年お手伝いに来るという、安江あつこさん(漢字がわからずすみません。。。)。



豆は洗って浸水させ、一晩おいたら蒸していきます。



これは「宝菌」といいますが、商品名なのか菌の名前なのかは不明(笑)




ろじ。これに豆といった麦と菌を混ぜたものを入れて、麹室で発酵させます。
もう何十年も使っているのだとか!
木のものはちゃんと手入れして使えば本当に長持ちするんですね。






でっかいせいろ!!
さあ、豆も準備OK。










せいろを持ち上げます。



せいろから台の上にアツアツの豆を出します。



これは黒い豆も混ざっているバージョン。
ふっくらしていておいしそう・・・



煎った麦を・・・




まきます。
先ほどの菌もまいて、豆に均一に混ぜます。








豆にちゃんとお化粧してあげました。












ろじに豆を均等に入れていきます。



いよいよ麹室の出番。炭の熱であたたまった室に
ろじを並べていきます。



おや?ろじになにやら文字がついています。



これは注文された方の名前を書いているそうで、
ろじいくつ分作ったか、わかるようにチョークで印しているのです。



室の中と外の壁にはろじの数を書いておきます。






ひと仕事終えたら休憩時間。
寿美さん特製の干し柿をいただきました。
干し柿って加子母に来てはじめて食べたけど、柿の甘みが凝縮されてて
本当においしい。あれで自然な甘さだから驚きです。
手間かけて作るからお店で買うと高いけど、田舎の人はみーんな
自分で作っちゃうんですね。。。
おいしいものいただけて幸せです。





先ほど入れた豆を室で4日ほど発酵させます。
その間は均等に熱が行くように、中身をかき混ぜたり、ろじを入れ替えたり。
上の方があったかい。



炭の入った暖炉(?)。
これは養蚕をやっていた時に暖をとるためのものだったそうです。
加子母の人も40年代までは養蚕をしていて、床下で火をおこして蚕を飼っていました。






大豆と小麦が混ざっているものは、「たまり」とり専門。
加子母の人はしょうゆのことを「たまり」と呼ぶらしい。。。
味噌を作っている過程で出てくる水分がたまりになるらしく、
溜まっているのをくむから「たまり」なんだそうな。









一足先に米麹が完成。



何に変身するのかなぁ〜
どぶろく、甘酒・・・
麦麹と混ぜて漬物つけたりもするらしい。
でもあんまり使い方のイメージができないなぁ。






これから各家庭に配ります。









そしてついに、麹室から豆の入ったろじを出します!!
発酵させた豆はどうなってるかな?





じゃじゃん。



おー。
なんか言葉では形容しがたいのですが(笑)、こんな感じになりました。



この状態で各家庭に配って、家庭ごとに塩や水の量を加減して味噌を作っていきます。
塩加減、水加減、混ぜる回数など変わってくるので
同じ豆からできていても、各家庭の味噌の味はそれぞれ違うのです。
食べられるようになるのは少なくとも半年後。寿美さんは一年おいて使うそうです。




「おふくろの味」というのは、他の家庭では味噌汁の味が違うことから
生まれてきた言葉なのかもしれないですね。
昔から慣れ親しんできた、懐かしくあたたかい家庭の味。
自分の家で作る味噌って、そういう特別な思いを生み出す大切な調味料だったのかもしれません。





最近つくづく、加子母の食生活は豊かだなあと感じます。

私は何でもかんでも「おいしい」と思って食べられるありがたい舌の持ち主だったのですが
最近、「なんか作った味だなあ」とか「やたら変な濃い味するなあ」とか
市販の食品に対して評価が厳しくなっている自分がいます。
困ったなあ・・・


干し柿にしろ味噌・しょうゆにしろ、
添加物などを使用しないで手間隙かけて自分たちで作ったものを食べる幸せ。
加子母の人たちは、あまり意識していないだろうけどそういった日常の営みの中に
幸せを感じて生活しているんだろうな。




今は若者をはじめ濃い味のものを好み、田舎味噌はなんか味気ない、という人も増えていると聞きました。
味噌づくりはもう近所の方に頼まれた分しかやらないし、儲からないため
途絶えるのも時間の問題です。
若者が価値を見出すかどうか、と寿美さんは笑っていましたが
どうなっていくんでしょうか。




寿美さんからいただいた、たまり。
色が薄いのに味はしっかりしていて、何と言ってもフタを開けたときの香ばしい香りが
普通のしょうゆと全然違う。
食べている時に作る人の顔が浮かぶ、食べている時に産地の情景が浮かぶ、
こんな贅沢なことはない。




この贅沢を私一人でかみ締めるのはあまりにもったいないので、
3月開催の加子母の山村文化体験ツアーはぜひ、たくさんの方に来てもらえればうれしいです。










































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