加子母の真森人(まもりびと)

東京から移住して加子母で活動する地域おこし協力隊・かしもりがーるのブログ。東京の風を加子母に送ります。

神と男女の三角関係

2012-02-08 15:41:51 | 組合の行事
昨日2月7日は、山の神様をまつる日でした。
朝出勤すると、みんながぞろぞろと歩いていました。

「今日は何かあるのかな」
そう思って近くを歩いていた組合の人に聞いてみると
「あ、今日は山の神様をまつる日なんです。」
という返事が。

「あ、そうなんですね。」
もうすぐ始まると言うので、少し早足で私もみんなが向かう方へ歩いていきました。

組合の人たちが集まる場所へ行ってみると、なにやら私を見るみんなの視線がおかしい。。。
気のせいでなく、明らかにおかしい。。。



・・・あ、もしや。
私は来てはいけなかったのでは?


「女性は立ち入り禁止や。」


ですよね。

最初に出会った組合の人、教えてくれればいいのに!
と心の中で文句を言いつつ(笑)、事務所でお留守番していました。

毎年12月7日は、「今年も無事山仕事ができました」とお礼を言う日、
2月7日は「今年も安全に作業できますように」と挨拶する日と決まっているそうです。
昔の人は12月7日〜2月7日までは山仕事をお休みしていたんでしょうね。



今まで山の神様があの場所でまつられていることは知りませんでした。
あとで事務所の忠さんが声をかけてくれて、
いろいろミニチュアの山の道具とかあるから見ておいで、と取材許可(?)を出してくれました。



で、早速行ってみることに。



お天気雪の寒空の下、山の神様に失礼してお社を見せていただきました。
木でできたミニチュアのヨキやナタ、鋸などが並んでいました。
「ああ、山の神様って女なんだな」と思わせるものも山の道具とともに
飾ってありました(汗)


なんとなくですが、お社の前に立つと周りの空気がぴりっとする。
長いこと見学していたらより一層冷たい風が吹いてきて
「早く帰れ」と言われているような気がしたので、
そそくさと帰ってきました。
写真も撮らせていただいたんですが、ブログにのせるのはやめておきます。
山の神様に嫌われたくないもの・・・




最近山仕事をする女性もだんだん増えてきたとはいえ、
昔からのしきたりは根深く残っているんですね。
女性差別とかそういうレベルではなく、
昔の人はそうやって山とともに暮らしてきたのです。



みなさんはこのしきたり、どう思いますか?







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寒の水から生まれるあったか田舎味噌

2012-02-01 10:58:15 | 山村文化あれこれ
今回は林業とは直接関係ないのですが、
女性林業グループ「恵那こぶしの会」の会長・梅田寿美さんが冬場は味噌づくりを
されるということで、取材に行ってきました。
今度3月3,4日に味噌づくり・こんにゃくづくりツアーも開催されるので
その打ち合わせも兼ね、何度か工程を見学させていただきました。



1月20日から仕事はじめ。2月に入る頃まで麹室を開き、味噌を作ります。
10日ほどしか味噌づくりを行わないのは何か理由があるのでしょうか。

実は、昔から「寒の水は腐らない」といわれており、大寒から立春までのお水は
冷たいから腐らない、ということで味噌づくりに最適なのだそう。
そういうわけで、一年のうちこの短い期間だけ、麹室は一生懸命働くのです。



麹室。今年もよい味噌がつくれるように、よろしくお願いします。








まずは丸麦を煎るところからスタート。
この方は毎年お手伝いに来るという、安江あつこさん(漢字がわからずすみません。。。)。



豆は洗って浸水させ、一晩おいたら蒸していきます。



これは「宝菌」といいますが、商品名なのか菌の名前なのかは不明(笑)




ろじ。これに豆といった麦と菌を混ぜたものを入れて、麹室で発酵させます。
もう何十年も使っているのだとか!
木のものはちゃんと手入れして使えば本当に長持ちするんですね。






でっかいせいろ!!
さあ、豆も準備OK。










せいろを持ち上げます。



せいろから台の上にアツアツの豆を出します。



これは黒い豆も混ざっているバージョン。
ふっくらしていておいしそう・・・



煎った麦を・・・




まきます。
先ほどの菌もまいて、豆に均一に混ぜます。








豆にちゃんとお化粧してあげました。












ろじに豆を均等に入れていきます。



いよいよ麹室の出番。炭の熱であたたまった室に
ろじを並べていきます。



おや?ろじになにやら文字がついています。



これは注文された方の名前を書いているそうで、
ろじいくつ分作ったか、わかるようにチョークで印しているのです。



室の中と外の壁にはろじの数を書いておきます。






ひと仕事終えたら休憩時間。
寿美さん特製の干し柿をいただきました。
干し柿って加子母に来てはじめて食べたけど、柿の甘みが凝縮されてて
本当においしい。あれで自然な甘さだから驚きです。
手間かけて作るからお店で買うと高いけど、田舎の人はみーんな
自分で作っちゃうんですね。。。
おいしいものいただけて幸せです。





先ほど入れた豆を室で4日ほど発酵させます。
その間は均等に熱が行くように、中身をかき混ぜたり、ろじを入れ替えたり。
上の方があったかい。



炭の入った暖炉(?)。
これは養蚕をやっていた時に暖をとるためのものだったそうです。
加子母の人も40年代までは養蚕をしていて、床下で火をおこして蚕を飼っていました。






大豆と小麦が混ざっているものは、「たまり」とり専門。
加子母の人はしょうゆのことを「たまり」と呼ぶらしい。。。
味噌を作っている過程で出てくる水分がたまりになるらしく、
溜まっているのをくむから「たまり」なんだそうな。









一足先に米麹が完成。



何に変身するのかなぁ〜
どぶろく、甘酒・・・
麦麹と混ぜて漬物つけたりもするらしい。
でもあんまり使い方のイメージができないなぁ。






これから各家庭に配ります。









そしてついに、麹室から豆の入ったろじを出します!!
発酵させた豆はどうなってるかな?





じゃじゃん。



おー。
なんか言葉では形容しがたいのですが(笑)、こんな感じになりました。



この状態で各家庭に配って、家庭ごとに塩や水の量を加減して味噌を作っていきます。
塩加減、水加減、混ぜる回数など変わってくるので
同じ豆からできていても、各家庭の味噌の味はそれぞれ違うのです。
食べられるようになるのは少なくとも半年後。寿美さんは一年おいて使うそうです。




「おふくろの味」というのは、他の家庭では味噌汁の味が違うことから
生まれてきた言葉なのかもしれないですね。
昔から慣れ親しんできた、懐かしくあたたかい家庭の味。
自分の家で作る味噌って、そういう特別な思いを生み出す大切な調味料だったのかもしれません。





最近つくづく、加子母の食生活は豊かだなあと感じます。

私は何でもかんでも「おいしい」と思って食べられるありがたい舌の持ち主だったのですが
最近、「なんか作った味だなあ」とか「やたら変な濃い味するなあ」とか
市販の食品に対して評価が厳しくなっている自分がいます。
困ったなあ・・・


干し柿にしろ味噌・しょうゆにしろ、
添加物などを使用しないで手間隙かけて自分たちで作ったものを食べる幸せ。
加子母の人たちは、あまり意識していないだろうけどそういった日常の営みの中に
幸せを感じて生活しているんだろうな。




今は若者をはじめ濃い味のものを好み、田舎味噌はなんか味気ない、という人も増えていると聞きました。
味噌づくりはもう近所の方に頼まれた分しかやらないし、儲からないため
途絶えるのも時間の問題です。
若者が価値を見出すかどうか、と寿美さんは笑っていましたが
どうなっていくんでしょうか。




寿美さんからいただいた、たまり。
色が薄いのに味はしっかりしていて、何と言ってもフタを開けたときの香ばしい香りが
普通のしょうゆと全然違う。
食べている時に作る人の顔が浮かぶ、食べている時に産地の情景が浮かぶ、
こんな贅沢なことはない。




この贅沢を私一人でかみ締めるのはあまりにもったいないので、
3月開催の加子母の山村文化体験ツアーはぜひ、たくさんの方に来てもらえればうれしいです。










































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国体バッジと格闘中

2012-02-01 10:00:50 | 木工職人の紹介


中日新聞でも取り上げてもらいましたが、

今森林組合では、今年の夏行われるぎふ清流国体・大会の参加章バッジを

製作しています。

国体選手や関係者、合わせて8万人の手にこのバッジが渡る予定です。

メダルを包んでいるカバーは岐阜県の県木であるイチイを使用。

加子母の梅田木工さんがメダルをはめる部分を削ったそうです。

ちなみに梅田木工さんの記事はこちら↓

http://blog.canpan.info/kashimonomori/archive/41


しかし8万個というのはとんでもない数で、

組合の人みんなで手分けして作っております。。。



最初はかわいいなぁ、なんて思ってたミナモちゃんも、

こんなに数があるとだんだんだんだん…

いや、この先は言わないでおきましょう(笑)




今年は国体関係で加子母森林組合の活躍の場が増えそうです。


みなさんは「恵みの森づくりコンソーシアム」という機関を

ご存じでしょうか。

これは企業や森林組合などが協同して、多様な森林保全・利活用法をつくる機関で、

加子母森林組合はこの機関の会員になっています。


国体ではコンソーシアム会員で「木の国・岐阜」らしいおみやげ品を開発し、

国体関係者の方々に、岐阜県の森づくりのPRを行なったり、

森林資源の新たな活用方法を提案していく予定です。



加子母の森づくりを一般の方々に伝えるには

どういう手法が良いのか、

森林組合で活動させてもらってもうすぐ一年経ちますが、

まだまだ模索中の毎日です。

商品にメッセージをのせて発信しても、多分買い手に

伝わっていないんじゃないかなあ、と感じることも多いです。


「『欲しい』と思って買ってみたら、実は森づくり活動に貢献できる商品だった」

という商品も良いと思うけど(実際こういうのを作るのもとっても難しい。。。)

どうせなら加子母の歴史や文化、地域のあたたかみを感じられる商品を

作りたいな。

と、理想ばかり言ってみるのですが(笑)

でも理想に近い商品ができるようにちょっと頭ひねってふんばってみようと思います。


商品づくりに協力してくださる方は是非名乗り出てください。

よろしくお願いします。






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森林組合の初市

2012-01-12 15:21:35 | イベント報告
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
私は長い正月休みをいただいて東京でぬくぬくしていたんですが、
加子母へ帰ってきたらやっぱり寒い
「寝てても寒くて起きる」という地元の方の話しを聞いて「まさか」と
思ってたけど…寒くて起きます、はい。
東京でかわいい湯たんぽ買ってくればよかった〜と激しく後悔



そんなことはさておき、先日1月10日に加子母森林組合では
初市がありました!!






今回は林業女子会@岐阜のメンバーが2人、見学に来てくれました



組合長が入札風景の説明をしています。




入札で業者が使う札。
白札が奇数番号の材、赤札が偶数番号の材です。


入札の様子を見学した後は土場へ。
どの番号の木がいくらで売れたのかメモをして、
実際の木を見に行きました。





これは確か13万円くらいで売れました(正確な値段忘れちゃいました…)
今回の市の中ではかなり高額。




かしもりがーるはとても説明できないので(笑)、
林業女子たちの案内を副組合長にお願いしました。



業者が木を見るポイント、昔の木の値段に比べると今は4分の1程度の値しかつかないことなど話しをしてくださいました。
今回の初市はマツやモミが多くでていました。
マツは11月以降〜2月頃までに伐らないと虫が食ってしまうため、
毎年この時期によく出すのだそうです。





「証明材とSGEC材の違いは?」

林業女子も質問。




この木の山は7本まとめ売りで、約5,000円。
隣に転がっている木が元の方の木。これらは太くて良い値がついたのに対し、
この7本の木は1本当たり1,000円にもなりません。
元の木を伐り出す時についでに持ってきたものらしいけど、
山からおろしてくるコストや木材市に出す手数料などを考慮すると
この値は確実に赤字。元の方の木が良い値で売れても、
この安い木を出してくるお金で足を引っ張ってしまいます。
それならいっそ、山に置いてきた方がいい。
山に放置されている木はそういった事情で置き去りにされているものが大半です。
この木はたまたま運びやすかったから持ってきたんだろう、と副組合長は
話していました。





今度はひのきが積まれている土場の方へ。
また値段を確認していきました。




副組合長はもともと大工さんだったようで、木の性質を詳しく説明してくれました。
クリはシロアリがくわないから家の土台にだとかカラマツはよくねじるから建築材として使いづらいだとか、モミは昔は桐ダンスの引き出しの底に使われていたとか。

そしてヒノキは平均的に建築材として良いというだけで、
木にはそれぞれ得意な環境・状態があるから
昔の大工さんはそういった特性を生かして勘を頼りに仕事をしていたのだとも
お話していました。




今回来てくれた林業女子の二人は森林文化アカデミーの学生さん。
就活や卒論忙しい中、いろいろ勉強していってくれました。
加子母の山の案内もしたかったのですが、やはり雪のため断念…
また暖かくなったら呼んでくださいと言ってくれたので良かったです
今度女子会の合宿もあるから楽しみだ

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働き者の箸職人 今井忠吉さん

2011-12-16 12:58:14 | 木工職人の紹介
諸事情によりブログ移転しました!
今後もこちらでつらつら書いていくのでよろしくお願いします



さてさて、今回は加子母大杉の近くに住んでいる箸職人の今井忠吉さんのところへ
お話を聞きに行きました。
小郷の方へ行くのを同じ協力隊のひかりちゃんに見られてました…
若葉マークって目立つのね悪いことできないわ





忠吉さんです。
昨年の12月、個人的に加子母の木工職人さんを訪ねた時も
快く見学に応じてくださいました。
昨年訪ねたこと覚えててくれてました…嬉しすぎる



忠吉さんは現在72歳。
会社勤めをしていて定年を迎え、6年前から箸作りを始めました。
はじめは建築大工や養蚕で家族を守ってきた忠吉さんのお父さんが
お箸を始めました。
お父さんが亡くなって10年間は全く箸作りをやめてしまっていたのですが、
「せっかく箸を作る機械を残してくれたんだから」と、
百姓をやりながら再開することにしたそうです。





前回と同様、忠吉さんがいつもお箸を作っている工場にお邪魔して
作っているところを見学させていただきました。
様子をのぞいてみましょう






まずこのような板の端材を買ってきます。忠吉さんはマルウ製材で
いつも買ってくるそうです。あらかじめ乾燥させてあるものを購入することで
少し手間が省けます。


マルウ製材は加子母や下呂の森林組合から主に材を仕入れているそうなので
忠吉さんの作るお箸は岐阜県産のひのきを使っています。



この板を、注文を受けた長さで切断して箸を作っていきます。




カットした材をセット。


台をカッターの方へ、前後に動かして箸の細さに切っていきます。







向きを変えてセット。



この工程で、こんな感じになります。





次に、電気かんなで表面をつるつるにしていきます。



黒い型におよそ15本、先ほどの箸を並べてかんなをかけていきます。
詰め物もして、箸が動かないよう固定しています。






これを四面やります。







表面がひのきらしい白さになりました。手触りもするするしてます。




お次は箸の先を電気やすりで削って、細くしていきます。





それから、注文があったら箸の側面の面取りもします。







仕上がりはこんな感じ。






完成!!



こちらはお子様用。主に18cmのものや16.5cmのものを作っているそうです。


こちらは大人気の菜箸。
使いやすいとモクモクセンターでも好評です



「木を箸に使うと木の乱伐になる」と批判されることもあったようですが
忠吉さんが仕入れるのは製材して余った端くれ。
割り箸と同じく、むしろ木を余すところなくうまく利用していると言えますね。





「モノづくりが好きでよぉ」
トマトや西方いも、米などを作りながら箸も作る忠吉さん。
暇さえあれば工場へ行き、箸を作っているそうです。

「『こんなもんでええわ』と思わんで、『今よりもっと使いやすく』と思って
つくっとるよ」

忠吉さん今日は風邪をひいてマスクをしていましたが
時折あふれる柔和な笑顔が印象的でした


いつも木工所の見学に行くと感じることですが
加子母の職人さんって本当に性格が柔らかいですね
私の「職人」イメージは、頑固で(加子母の職人さんも作品に対してこだわりは
あると思いますが)ぶっきらぼうで…というものだったんですが
え、古い?(笑)




私の「職人像」を見事に裏切ってくれる加子母の職人さん達。
本当に面白くて面白くて、お話してるとなんだか元気をもらえます。
今日もパワーいただいちゃいました!!
忠吉さん、どうもありがとうございました
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