
昨年の11月3日、11時45分着のカーフェリー「おけさ丸」から新潟港に降り立った筆者は、万代シテイ駐車場へと向かった。ここに車を停め、新潟伊勢丹の7階レストラン街にある、中華料理のお店「南国酒家」を訪ねてみた。この日はあの「ラ・ピアッツア」の前にも行列が出来ていたので、ま、どのレストランも等しく混んでいたようだ。南国酒家の前にも15人ほどが並んでおり、30分ほど待たされるとの事だった。「麺好や ゆうじ」で、あの屈辱的かつ強烈な2時間近くに及ぶ行列経験をする前は、この程度のお店で行列するなどと言う事は筆者のプライドが許さなかったが、あの経験を経た以後は、30分程度の行列は可愛いもんだと思うようになった。だが、東京では、行列などは絶対にしない。すぐに入れてくれる高級店が掃いて捨てるほどあるからだ。筆者の頭の中には、「どうも行列するお店のお料理は大した事はないのがほとんど」と言うのが定理、定説になりそうである。この南国酒家の待合場所は病院待合室風などではなく、お洒落な人々が行き交う伊勢丹のレストラン街である。座るイスも隣の人と肩が触れ合うくらいの押し合いへし合いのギュウギュウ詰ではなく、ゆったりとしている。30分ほどの待ち時間はもう苦にはならなくなっていた。25分ほどで名前を呼ばれ、カウンター席へと案内された。予め、注文は「三種海鮮野菜あんかけカタヤキソバ(1470円)」と決めていたので、メニューなど広げずに、おねーさんに即座にこれを注文した。
注文してからお料理が運ばれるまでの時間で、人間が快適に待つ事ができるのは10分程度である。もうこれ以上は我慢できないと言う受忍許容限度時間は20〜25分であろう。それゆえ、調理完了まで30分以上経過する事が予想される場合は、予め、「少々お時間がかかりますがよろしいでしょうか」と断りを入れるのが飲食店界の常識ではないかと思う。この南国酒家、お料理が出来上がるまでに25分を要した。都心のホテルではありえない待たせ時間だし、ホテルなら、「まだかなあ〜」と言うそぶりを見せれば、スタッフが飛んできて「大変お待たせいたしております。ただいまお料理をご用意いたします」とフォロウを入れるものだ。だが、このお店、客の誰に対しても最低20分は待たせるらしく、スタッフが客に「お待たせしております」などの声掛けをする事はなく、筆者の真向かいに座っていた三人客などは35分も待たされていた。だが、「遅いわねえ〜」などと愚痴をこぼす人は皆無だったので新潟市民はよほど我慢強いか鈍感かのどちらかだろう。ようやく出来上がったカタヤキソバには野菜あんがてんこ盛りでかなり量が多かった。海鮮は、芝海老、帆立、蟹の三種であった。具は美味しかったが、肝心の硬め焼きそばは、さすがに両津の「アン」のように、あんでべちょべちょになるような代物ではなく、硬めに揚げられていたが、今度は揚げすぎで、硬くてしょうがない。まるでカップヌードルの麺を齧っているようだ。こりゃ駄目だな、銀座アスターの方がまだましだ。人間には、長時間待たされて怒ると、美味しい物に対する閾値が上がり、普段なら美味しく感じる物をさほど美味しく感じなくなる心理が働くのかもしれない。「麺好や ゆうじ」さんはこの心理に気づかなかったようである。この南国酒家、この程度のお料理の調理に25分も要するような中華料理屋なのか?お料理を運んできた従業員が「大変お待たせいたしました」と言ったので、筆者は大きく頷きながら、「待たせすぎ!」と嫌味を言ってやった。「長時間待たされて食べる料理にろくなものなし」、これは筆者の長年の経験が生み出した定説であるが、「麺好や ゆうじ」さんは例外であった。











