蓮光寺（佐渡市相川） 投稿者：とある旅人

 

京町通りを北上し、旧相川拘置所前で右に折れたあたりが六右衛門町である。この付近には大福寺などがあるが、毎年、年の初めに佐渡奉行所の役人が年始に訪れるという格式の高いお寺が蓮光寺である。その場所を地元のおばさんに尋ねたところ、おばさんは、場所を教えつつ「このお寺にはもう住職は住んでいないのだ」と言った。何もこのお寺に限った事ではないが、住職のいなくなったお寺と言う物は荒れ放題である。このお寺は左門町という所にある。開基は、越中から渡ってきた徳了上人だとされている。徳了上人は、佐渡奉行「大久保長安」により寺地を与えられ、佐渡における東本願寺派寺院の触れ頭の地位にあった。それゆえ、佐渡奉行が毎年、年始の挨拶に訪れたのだ。だが、現在はその栄光の面影はどこにも見られない。わずかに山門の鉄製の扉に残された青い錆だけが当時の威勢を物語っている程度であった。境内に二名の佐渡奉行の墓があると案内板に書いてあったので探しまくったがどこにもそれらしき墓は無かった。