筆者は以前、「カーフェリーの特等室から姫崎灯台を撮影し、行き会うジェットフォイルやカーフェリーの船体を写し、島内では遭遇した朱鷺や野鳥を撮影し、妙見山のレーダーや赤泊から見える対岸の新潟の高層ビル群を写すなどは一切やる気がしない、だからそれに必要な望遠レンズや三脚などは買わない」と公言していたが一夜にして気が変った。「君子豹変す」である。筆者は2月23日、ビックカメラでキャノンの超高倍率望遠ズームレンズ「EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM」(定価:296,800円+レンズ保護フイルター6980円で総額30,3780円)を購入した。ANAカードで支払ったので還元ポイントは8%(通常は10%)に下がったが、90905454マイルを獲得出来た。こう書くと、佐渡の陸マイラーとしてつとに有名な相川大間町の県道沿いにある伊藤酒店の伊藤淳平さんから「え?ANAカードのクレジットポイントは1000円で1ポイント=10マイルじゃないの?約30万の買い物なら3000マイルのはずだが。。。」と言われそうだが、この高マイル数獲得のからくりは彼なら容易に見抜けるだろう。新宿東口のビックロではdisplay機に「お取り寄せ」のポップが貼ってあったが、店員さんが他店から取り寄せてくれ、約1時間後に手に入れる事が出来た。レンズだけでソニーα99の本体価格を上回っているのだからそりゃあー凄いレンズだ。メーカーの謳い文句は「広角の28mmを実現した超高倍率ズームに手ブレ補正を搭載。光学系にはUDレンズと非球面レンズを各3枚採用し、シャッター速度約3段分の手ブレ補正効果と共に諸収差を徹底的に除去したLレンズにふさわしい高画質を実現しています。」である。この手ぶれ補正機能は水平垂直の両方向に作用するので、朱鷺を始めとした水平飛行をする野鳥を流し撮りする際に威力を発揮する。しかも28ミリから300ミリまでズームが効く(APS-C機に装着すれば450ミリまで拡大可能)ので近い被写体から遠くの被写体までバッチリと拡大撮影が出来る。発売日は2004年06月下旬で、キャノンのユーザーからは「ニッパーサン」の愛称で親しまれている人気レンズだ。30万ものレンズが人気レンズなのだからキャノンユーザー層の裾野がいかに広いかが分かろう。何せ、バズーカー砲のような約100万の単焦点800ミリレンズを趣味で購入する人もいるくらいだから素人写真愛好家と言っても結構プロはだしの人が多いのは事実である。
10万程度の望遠ズームレンズを購入し、はしゃいで撮影し捲る写真ブロガーが島内にも何人かいるようだが、EOS-1DXと「ニッパーサン」の組み合わせで島内を撮影する島人は皆無だと思う。カメラ本体とレンズと三脚で総計95万を投資する写真愛好家何て皆無だろう。つまりだ、軽自動車1.5台分の値段を抱えながらの撮影行など正気の沙汰ではあるまいに。それにカメラ本体を含めた重さは約3キロで新生児一人分に当たり、これらを抱えて電車での移動などはほぼ不可能に近いため、撮影時の移動は車に限られる。筆者はこのレンズで多摩動物公園にいる動物達を撮影するのを今から楽しみにしている。そして何故この時期にこんなお高い買い物をしたかと言えば、消費増税前の駆け込みである。30万の3%は9000円である、いくら金に細かくない筆者と言えども1万近い増税は大きいと思う。別売のエクステンションチューブを取り付ければ更なる拡大撮影が可能だが、いかんせんこれ以上の機材の重さに耐えられないため、これの購入は断念したが必要に迫られれば増税後でも買う積もりである。
300ミリまでズームを効かせるとこう伸びる。後方に写っているのはレンズ専用のキャリーバッグ。stabilizerと言うのが手ぶれ補正機構で、二つのモードがあり、モード1は静止した被写体撮影用で、水平と垂直の両方向の手ぶれを補正し、モード2では水平あるいは垂直方向の流し撮りの際の手ぶれを補正してくれる。
上から写すとこうなる。