昨年の12月9日、筆者は、スイーツを求めて再び銀座へと足を向けた。酒を飲まなくなったら、やたらと体がスイーツを欲するようになったからだ。プランタン銀座から、銀座ベルビア館へ行く途中の右手に、真珠で有名なミキモトのブテイックビルがある。銀座三越の真向かいにもミキモトのビルがあるが、こちらは真珠商品の販売専門であり、ラウンジが併設されているのはミキモトブテイックビルの方である。1階のショップから螺旋階段を昇り、3階のラウンジへと向かった。頭上に煌めくシャンデリアは良く見ると上下に移動し、浮沈を繰り返しているかのようだ。これは、真珠を育む豊かな海の泡をイメージしたものだそうだ。午前11時の開店と同時にお店にお邪魔した。店内の皮張り椅子は、和光同様、アイボリーと茶で統一されており、テーブルは大理石造りと、超豪華!壁にぽっかり浮かんだ窓も海の泡をモチーフにしたものだそうだ。店内は、4人掛けの丸いテーブルが二卓と馬蹄形のソファー席がある以外は全て二人掛け席であった。開店と同時に入ったはずなのに、既に取引業者らしき男性が椅子に座っていた。
筆者は、対面のバーバリーのお店が見える窓際席へと案内された後、横田シェフ特製のフレンチトースト(1,500円)と、三種のデザートが盛り合わせになった、ハピネスプレート(1,500円)を注文した。ハピネスプレートは、ランチメニューを注文したら1,200円で食べられる仕組みになっている。自家製ブリオッシュを使用したフレンチトーストは、フライパンでキャラメリゼした後、オーブンでカリッと焼き上げてあり、口の中でとろけるようなキャラメルクリームの食感はミキモトラウンジならではの逸品である。まるでミルフイーユのカスタードクリームを食べているかのような食感であり、ホテルオークラのフレンチトーストとは又違った味わいで美味しかった。これに、ミキモトラウンジ特製のキッシュとサラダ、バニラのムースアイスのミニデザート、じゃがいもとブロッコリーのスープ、紅茶が付いていた。
ハピネスプレートは、オレンジとチョコレートを使った柔らかいパンプディング「クロワッサンプリン」、シュー生地に茨城産の和栗から作成した、モンブランクリームをたっぷり詰めた「栗シュー」、りんごの酸味とアングレーズソースの甘みがマッチした「りんごパイ」の3品を一度に楽しめる贅沢なプレートだ。1週間に一度の甘味をとことん味わい尽くし、テーブルでお会計を済ませた後、この優雅な一時を過ごせた事に感謝しつつ、ミキモトラウンジを後にし、師走の銀座の街へと繰り出してみた。
プチデザートはバニラのムースアイス ハピネスプレート