このブログの読者の中には、「東京でミシュランの星付き店を食べ歩く人が佐渡へやってきて飲食店評価をしても、その舌を満足させられるお店なんてあるのだろうか?」と訝る方は多いのではないだろうか?確かにほとんどのお店のお料理はそのレベルには届かない。だが、そうではないお店も少なからずあるのも又事実だ。お料理作成に日々研鑚を怠らない店主が経営する素敵なお店だって佐渡には幾つかある。そんな、当ブログが絶対の自信を持ってお薦めする佐渡の飲食店リストは今年の秋に公開予定である。是非とも楽しみにお待ち頂ければと思う。
さて、早くも6月である。6月上旬のとある日、筆者は代官山にあるフレンチの名店「レストラン シェ・リュイ」を訪ねてみた。東横線の代官山駅を降り、靴下屋がある交差点を左折し、ファッションやアパレル関係のお店の間の通りを北上するとやがて右手に一軒屋を改造したような瀟洒なレストランが顔を見せる。周囲は林に囲まれて落ち着いた雰囲気である。予めネットで予約してから出かけた。午前11時半丁度にお店に到着したら、通りに面した窓際の二人掛けの席が用意されていた。先客は交際している娘さんとの結婚許可を得るための、そのご両親との食事会らしき人々だった。主役のお兄ちゃんは、半袖シャツにネクタイを締め、黒のジレと言ういでたちで、筆者は、このレストランのギャルソンかと勘違いしてしまった。結婚許可を求めるための食事会である、スーツにネクタイ姿が基本であろうにと思ったが、まあよい、相手のお父さんも開襟シャツ姿だし、娘さんもcasualな格好である。そういう階級の家族なのであろう。筆者は、前菜、メイン(肉又は魚)、紅茶のプリフイックスコース(2200円)を選び、メインには和牛フイレ肉の炭火焼とフォアグラのソテー(800円増し)(画像)をお願いし、前菜には五種のオードブル盛り合わせを選んだ。ほどなくして前菜が運ばれてきた。ドライトマトが乗せられたモッツアレラチーズのムースはプリンのような味わいで美味しい!スモークサーモンを細かく刻み、それをマリネ風にしたタルタル仕立ても美味だ。牛肉のゼリー寄せも繊細で、モッツァレラチーズの盛り合わせをシューの中に詰めた一品は実に手が込んでいて、すばらしいの一言である。マダイとタラコにポテトを練りこんだグランダーレなるオードブルはかすかにタラコの塩味が効いていて絶妙なる味わい。「シェ・リュイ」さん相当レベルが高いなと思いながらメインのお肉料理を待つ事にした。前菜を食べ終わる頃にメインが運ばれてきた。見ると和牛の上にフォアグラが乗っていて、どちらの厚さも1センチほどだ。まずフォアグラを食べてみた。わずかに甘味のあるフォアグラだ。フイレ肉も柔らかくて文句なしのできばえである。付け合せのポテトのパイ仕立ても全て平らげてしまった。だが残念な事に、お皿に少々生臭い匂いを感じたのは気のせいだろうか?メインを食べ終えたところで400円増しで、デザートのバニラプリンをお願いした。キャラメルソースがかかったプリンだが、これも美味しく頂いて終了。合計3400円、店内がやや狭い感じは否めなかったものの、美味しいフランス料理を堪能できた「レストラン シェ・リュイ」さんだった。