小春奈日和

赤ちゃんは、人間は、どのように言葉を獲得するの?
わが家の3女春奈と言葉の成長日記です。

537 出雲臣と青の人々 その10

2016年10月15日 02時12分39秒 | 大国主の誕生
大国主の誕生 ―出雲臣と青の人々 その10―
 
 
 鈴鹿まで来た時、国司守(くにのみこともちのかみ)である三宅連石床(みやけのむらじいわとこ)、
介三輪君子首(すけみわのきみおびと)、それに湯沐令(ゆのうながし)である田中臣足麻呂(たな
かのおみたしまろ)、高田首新家(たかたのおびとにいのみ)らが大海人皇子に加わりました。
 吉野を発って以降、多くの兵を得たことで、大海人皇子は鈴鹿山道を封鎖します。
 
 鈴鹿山道を封鎖する兵を残して大海人皇子はさらに東に向かいます。
 なお、ここで大海人皇子が貴重な兵力を鈴鹿の封鎖に割いたのには理由があります。
 鈴鹿には鈴鹿関が置かれていたからです。
 鈴鹿関は、畿内と東国を封鎖するために設けられた関所の中でも不破関と並んで最重要な関所
だったのです。もちろん関所の目的は東国からの侵攻や、謀反を企てた者が畿内から脱出するのを
防ぐのが目的なのですが、その目的ゆえに鈴鹿関は軍事拠点としての性質も帯びていたのです。
 大海人皇子は鈴鹿関を押さえたことで、近江朝廷側の使者や兵を遮ることができやすくなったわけ
です。
 
 さて、一行が川曲坂(かわわの坂=鈴鹿市山辺付近に比定)まで来た時に日没を迎えました。
 皇后の鸕野讚良皇女(うののさらら皇女)の疲労が大きくなっていたので、しばらくここで休息を
取ることにしましたが、突如夜空が曇りだし、今にも雨が落ちて来そうになったため、ゆっくり休憩
することなくまた進み始めますが、やがて気温が下がり、雷をともなった豪雨になりました。
 一行はずぶ濡れになり、寒さに耐えきれない者もあらわれだしたので、三重郡家(みえのこおりの
みやけ=四日市市采女町付近に比定)まで来たところで民家を焼いて暖を取りました。
 その時、鈴鹿関から関司が来て、
 「山部王と石川王の両名が来られたので関に留めております」
と、報告しました。
 そこで、大海人皇子は、路直益人(みちのあたいますひと)に、その両名をつれて来るように
命じて鈴鹿関に行かせます。
 
 『日本書紀』の六月二十五日の記事はここで終わっています。
 そして、翌六月二十六日の記事に移るわけですが、『日本書紀』は次のような注目すべき記事
から始まります。
 
 「二十六日、朝に、(大海人皇子は)朝明郡(あさけ郡)の迹太川の川辺にて天照大御神を
遥拝たまう」
 
 このことがなぜ注目すべきことなのかについては後で説明をさせていただくとして、そこに
鈴鹿関に行かせた路直益人が戻ってきました。
 そして大海人皇子に報告したのは、鈴鹿関に留められていた者は山部王と石川王ではなく、
本当は大津皇子と大分君恵尺(おおきだのみきえさか)だった、というものでした。
 おそらく大津皇子と大分君恵尺は近江京を脱出した後、大海人皇子から言われたように伊勢に
向かっていたはずですが、道中近江朝廷側の人間に発見されるのを恐れて偽名を用いていた
ものと思われます。
 なお、大津皇子には大分君恵尺の他に八人の近臣が付き従っていました。
 
 高市皇子に続いて大津皇子も無事合流できたことに大海人皇子は大いに喜んだ、と『日本書紀』は
記します。
 
 さらに、朝明郡家まで来た時に、今度は先に美濃に向かっていた村国連男依(むらくにのむらじ
おより)がやって来て、
 「兵三千を動員して不破関を封鎖することに成功しました」
と、報告しました。
 大海人皇子は男依の労をねぎらうと、高市皇子を不破に派遣して軍事を委ねますと、自身は
桑名へと向かいました。そして、桑名郡家にそのまま留まったのでした。
 
 しかし、翌二十七日、高市皇子の使者が来て、
 「桑名では遠すぎて指令系統に不便が生じます。どうか不破の近くまでお越し願えないでしょうか」
と、告げたので、大海人皇子は皇后を桑名郡家に留めて不破に移りました。
 そして野上(岐阜県不破郡関ヶ原町野上)に行宮を構えたのでした。
 一方の高市皇子は和蹔(わざみ。和と、斬の下に足という字)に布陣していました。わざみとは
関ヶ原の旧地名です。
 
 この関ヶ原および野上と、大海人皇子の拠点である安八磨郡に挟まれる形で南宮大社が鎮座
します。例の青墓もそこにあります。
 
 壬申の乱の前夜、大海人皇子の行動には、「稚き児の宮」伊賀の敢国神社、「中の宮」美濃の
南宮大社が直接ではないにせよ絡んでいるのです。
 
 それでは「本宮」諏訪大社はどう関係するのでしょうか。
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