五十路おやじの洋楽日記

50代のおやじ二人が綴る70年代ロックを中心とした身辺雑記。

10,000 Light Years Ago / John Lodge

2016-10-08 16:58:35 | Album Review
かつてジョン・ロッジが大好きだった。ムーディーブルースに夢中になっていた40年も昔のこと。
ムーディーブルースの最大のメロディメーカーと言えば文句なくジャスティン・ヘイワードであり、ジョン・ロッジはその次ぐらいのポジションだった。彼の作品は、ノリの良いロックンロール(「Ride My See-Saw」「I'm Just a Singer」「Sitting at the Wheel」等)と、クラシカルでドラマティックな大作(「Candle of Life」「One More Time to Live」「Isn't Life Strange」等)に大別される。その他にもポップでメロディアスな小品(「Send Me No Wine」「Emily's Song」等)なんてジャンルもあるけど。メロディーに繊細な叙情性が感じられ、そこに惹かれたのだ。
だが、ボーカリストとしては線が細くて非力。1977年にソロアルバム「Natural Avenue」を発表したが、彼のボーカルだけでアルバム全編をカバーするのは辛かった。彼自身もそれを自覚したらしく、それ以降ソロアルバムはリリースされなかったのだが、昨年なんと38年ぶりに2枚目のソロアルバムが出たんだな。

1. In My Mind (わが心に)
2. Those Days in Birmingham (在りし日のバーミンガム)
3. Simply Magic (ただの魔法)
4. Get Me Out of Here (旅立ちの時)
5. Love Passed Me By (通り過ぎる愛)
6. (You Drive Me) Crazy (狂おしき君)
7. Lose Your Love (愛のかげり)
8. 10,000 Light Years Ago (10,000光年前に)

全曲で30分にも満たないミニアルバム。参加ミュージシャンは、このアルバムでロッジと共同プロデュースも務めているアラン・ヒューイットをはじめ現在のムーディーブルースのサポートメンバーが中心だが、ギタリストには「Natural Avenue」にも参加していた、かのクリス・スペディングの名前がクレジットされている。謎の天体に降り立った宇宙船というアルバムジャケットのイラストは、いかにもデジャ・ヴな印象。
サウンドはまさに前述した通りの、ロックンロールあり、ドラマティックナンバーあり、メロディアスなポップチューンあり、昔から変わらないジョン・ロッジの世界。「Those Days in Birmingham」はバーミンガムで過ごした少年時代を回想した曲、軽快なポップスでいちばん気に入った。「Simply Magic」はアコースティックな曲だが、レイ・トーマスとマイク・ピンダーがゲスト参加でフルートとメロトロンを演奏している!これはまさにムーディーブルースの同窓会だよね。「Love Passed Me By」はソロシングルでリリースした「Street Cafe」を彷彿とさせる。そして末尾を飾る「10,000 Light Years Ago」はピンダーばりのナレーションで始まる、お得意のドラマティックナンバー。
このアルバムを買う人は昔からの彼のファンだろうが、作品の出来に関して期待を裏切ることはないと思われる。80年代以降のムーディーブルースでの彼の作品は以前に比べると精彩を欠いていたが、このアルバムに収録された曲はどれもそれらを上回る出来だから。

でもまあ、これは完全なる予定調和の世界。功成り名を遂げたロックミュージシャンの人生回顧録的アルバムなんだよね。聴く前からそれはある程度予想していたから、それを以ってこの作品をこき下ろすつもりはない。皆がニール・ヤングみたいに何十年もアグレッシブに活動を続けられる訳ではないもの。アルバムに添えられた彼のメッセージを読むと、総決算的な気持ちも読み取れる。写真で見る彼は好々爺みたいになったし、エミリーももう立派な中年女性になっただろう。活動をやめることはないだろうが、おそらくこれが彼の最後のソロアルバムなのかも。それならそれで良い。僕だって大好きだったミュージシャンへのこれまでの感謝と慰労の気持ちでこのアルバムを買ったんだし。

(かみ)
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