Spunky's World

愛犬スパンキーとニューヨークに暮らすピアニストの日常

ラフマニノフのピアノ

2006-06-11 11:43:24 | 音楽・ピアノの話
私の練習方針で一番重要視をしているのは、ゆっくり練習すること。生徒さんには、毎週口をすっぱくして「ゆっくりゆっくり~!」と叫んでいる。

でも生徒の「ゆっくり」は全然ゆっくりじゃない。

だから、一音につき一秒の気持ちで弾きましょう、と言ったりしている。大学で教えているピアノ初級者のクラスでも、1拍子1秒で弾いたら、自動的にAをあげるとか言っているので、こちらは皆Aを欲しさに、一生懸命ゆっくり弾いてくれる。

この前新聞を読んでいると、「やっぱり私の練習法は正しいわ!」なんて思える記事があった。

コロンビア大学の医学部にはラフマニノフが生前使っていたというスタインウェイピアノがあり、医大の学生や先生が練習するのに使われており、さらには優秀な学生をリクルートするのに一手を買っているという内容であった(こちらのお医者さんとかその手の人々は楽器を上手に操る人がたくさんいるからね。ニューヨークにはお医者さんだけで結成されたアマチュアのオーケストラが存在するくらいですから)。これはラフマニノフがコロンビア大学に寄付したとか、彼の死後第三者の手に渡った後寄付された、とかいろいろ言われているが、その実は、本当にラフマニノフのピアノだったとは確証がないらしい。ただ長年の噂でコロンビア大の人々はそう信じているらしいのだ。

記事の中に「恐ろしく(Excruciatingly)ゆっくり練習していたらしいラフマニノフのように、さて医学生もラフマニノフ流にゆっくり練習しているのだろうか?」というコメントがあったので、やっぱり世紀の偉大なピアニスト、ラフマニノフもゆっくりさらうので有名だったのね!とわが意を得たり!という気持ちになったのである。

ラフマニノフはショパンの1小節を弾くのに20秒かけたという。ショパンの難しい曲になると1小節に20くらい音があるものもあると思うので、まあ一秒一音の感覚である。

この記事を読んで以来、生徒に「ほら、偉大なラフマニノフだって、超ゆっくり練習していたんだから、やはり先生の言うことは正しいのよ!だから言うことを聞いてゆっくりさらいなさい」とさらに口をすっぱくして言っている今日この頃だ。

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