米土がシリア危機に関する論争緩和に努めることで合意

２月１８日　メヴリュト・チャヴシュオール外相が１６日、「トルコとアメリカは関係正常化のための理解に達した」と語り、現在の両国間の一連の問題を解決するためのメカニズムを確立することにしたと発表しました。

　Hurriyet

アンカラで共同記者会見中のアメリカのティラソン国務長官（左）とトルコのチャヴシュオール外相

チャヴシュオール外相は、アメリカのレックス・ティラソン国務長官との共同記者会見でこのメカニズムの最初の会談は３月中旬までに行われるだろうと言いました。米土間の戦略的関係に大きな問題があるなかで、２月１５日、ティラソン国務長官はアンカラで、エルドアン大統領と話合いのために会いました。トルコ大統領府情報源によると、エルドアン大統領は“はっきりと”ティラソン国務長官に、シリアとイラクやテロとの戦いに関して、トルコの期待を表明したそうです。。アンカラの会談は３時間つづきました。

シリアの町マンビジが両国の論争の焦点になっています。トルコはアメリカに、マンビジからクルド人民防衛隊〈ＹＰＧ〉を撤退させるよう、くり返し要請し、現在のアフリン作戦が終ったら、次はマンビジを攻撃すると告げています。「ＹＰＧがマンビジから撤退したら、わが国はアメリカを信頼し、ともに行動できる。まずＹＰＧがマンビジを去るべきだ」と、チャヴシュオールは記者会見で言いました。

Hurriyet

さるトルコ当局者によると、ＹＰＧの戦闘員をユーフラテスの東に撤退させ、トルコ軍とアメリカ軍がいっしょにマンビジに駐屯することを、トルコはアメリカに提案したそうです。ティラソン国務長官は両国が危機的状況にあることを認めたうえで、両国は協力をつづけると誓いました。「わが国が単独で、これ以上、行動することはできない。両国は協力をつづけるだろう・・・われわれはよいメカニズムを持っている」

アメリカとトルコははシリアでイスラム国を撃滅し、安全地帯を設け、統合された独立国シリアを達成するという同じ目的を共有していると、ティラソン国務長官は言いました。会談中、ティラソン国務長官は、トルコがアフリンでＹＰＧと戦うことは、イスラム国の撃滅という目的から逸脱していると警告しました。

アメリカは軍をマンビジに駐屯させ、ＮＡＴＯ同盟国間の衝突の恐れを高めています。マンビジは、以前はＩＳの支配下にありましたが、ＹＰＧに追い出されました。ティラソンはマンビジがふたたびＩＳの手に落ちないようにすることが肝要だと言っています。

「５０万のシリア人が作戦後の帰国を待っている」エルドアン夫人

　「ほぼ５０万人のシリア人が、シリアのアフリンへ帰ることを期待しています。アフリンではいま、トルコが人民防衛隊〈ＹＰＧ〉の戦闘員を一掃するために軍事作戦を行っています」とエルドアン大統領夫人エミネ・エルドアンさんが言いました。

Hurriyet

「この作戦の目的はアフリンの安全を確保することにあります。トルコに逃げ込んでいるシリア人は、“オリーブの枝作戦”によって、アフリンに安全と平和が確保されて帰国できることを期待しています」とエミネ夫人は言いました。シリア人のための人道的支援を強化し、新しいコミュニケーション・チャンネルをつくることを目的にし手、イスタンブルで開催された会議で、エミネ夫人はスピーチしました。

エルドアン夫人はまた、トルコの「ユーフラテスの作戦」後、１４万人以上のシリア人がジャラブルスに帰ったことにも言及しました。トルコは２０１６年８月から２０１７年３月、シリアで、イスラム国（ＩＳＩＬ）とクルド民主連合党（ＰＹＤ）をターゲットにした「ユーフラテスの盾作戦」を行いました。

会議には、イスタンブルのヴァシプ・シャヒン知事の夫人シェイマ・シャヒンさんのほか、災害緊急管理局（ＡＦＡＤ）、トルコの赤新月社（イスラム圏の赤十字）、国連、シリアの非政府組織などの代表も出席しました。

「私たちはシリアの政治的な問題ではなく、モラルの問題と向き合っています。シリアでは、人々は７年間、住む家や家族を失い、健康を害しています。国際組織、非政府組織、各国は、この大事のために結束すべきです」とエミネ夫人は言いました。「トルコは数年間、ほぼ４００万人のシリア難民を受け入れてきました。政府、ＮＧＯ，国民は、難民の皆さんの状況を改善するためにベストを尽くしています。難民のためにこれだけの努力をしている国は、世界のどこにもありません」

　　　「ときどきダイアリー」ヘ