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「アメリカのイラク空爆は人質を殺しかねない」救出された総領事

2014年09月22日 | 国際
9月22日 イスラム国(ISIS)の人質として101日を過ごしたユルマズ総領事は、最近のアメリカの空爆で、トルコ人人質たちが閉じ込められていた建物を警備していたジハーディスト2人が死亡したと言いました。

Hurriyet
 
NTVで人質体験を語るオズテュルク・ユルマズ総領事


「私たちが捕らえられていたエリアのすぐそばに爆弾が落とされた。割れた窓ガラスでケガをした人もいる」とオズテュルク・ユルマズ領事は9月20日のNTVの生放送で語りました。他の人質も、「私は瓦礫の下敷きになった。ガラスが私の頭に当たって割れた。外にいたISISの戦闘員2人は死んだそうだ」と、NTVに語りました。
アメリカはISISの前進を阻止するため、先月末から北イラク空爆を始めています。

ユルマズ総領事はまた、「私は命を賭けて、彼らの要求を拒否した」と明言しました。「彼らは私の頭に銃を突きつけ、彼らの宣伝のための写真撮影に応じるよう強要しました。私は“われわれは女性と子供と国旗を汚されるより、殺されることを選ぶ”と言いました」

 Sabah
 
お嬢ちゃんたちを抱いて、総領事の顔に笑みがよみがえった


戦闘員たちは“人質の気力をそぐために”人質たちに宣伝用ビデオを見るよう強要しました。トルコ人たちが見せられたビデオの中には、アメリカ人ジャーナリスト、ジェイムス・フォリイさんとスティーヴン・ソトロフさんの斬首ビデオもありました。

「肉体的虐待はなかったが、脅迫はつねに受けていた。彼らは異なる文化を持っている。簡単に彼らを理解することはむずかしい。私は長い時間かけて、それを知ったに過ぎない。彼らは100回コーランに誓い、そのそばから100回嘘をつく」と総領事は言いました。

 
シャンルウルファからアンカラへ向かう機内でダヴトオール首相から人質たちに歓迎のバラが贈られた。


「ISISは人質たちの収容場所を8回も変えました。戦闘員たちは“もうモスル市街にいる”と言って、私たちをだまそうとしましたが、私たちはずっとモスル市内にいました。
私は外務省で19年間働いてきました。今、私は家族といっしょに数日休みたいですが、その後はまた仕事に復帰したいと思っています」とユルマズ総領事は言っています。


ISISに追われたシリアのクルド人7万人がトルコに逃げ込んだ

ISISの攻撃を逃れてきたシリアのクルド人推定7万人が、この2日間でトルコに入国し、さらに何千人がまもなく押し寄せてくると思われると、国連難民弁務官事務所(UNHCR)が警告しています。
「北シリアのコバネ市の戦いで、さらなる難民が出ると思われるため、トルコ政府当局とUNHCRは、さらなる難民の到来に備えている」という声明をUNHCRが出しました。

 Hurriyet
 
怒涛のごとく押し寄せるシリアのクルド人難民。その数、2日間で10万人。


「トルコが難民を快く受け入れ、また、突然、暴力的に家を追い出された人々を支援するトルコを推賞したいと思います」と、アントニオ・グッテレス国連難民高等弁務官は言いました。ISISが最近、コバネを攻撃し占拠したため、シリア人がトルコのシャンルウルファ県に大群となって押し寄せています。

コバネには、国内から逃げてきたシリアのクルド人が20万人ほどいました。ISISはテルアブヤドとコバネの人民防衛連合(YPG)と衝突をつづけています。少なくとも7万人の人々が2日間でトルコに入国したことは確実で、実際の数字は10万人以上だろうと、UNHCRのトルコ代表キャロル・バチェラー氏は、昨日、ロイターに語りました。

また一方では、300人以上のクルド人戦闘員が、クルドの国境の町に迫ってくるのを押し返すために、トルコからシリアへ入ったと、シリアの紛争を監視するグループが、9月20日、報告しました。


イスタンブル警察が大規模手入れで犯罪取り締まり

土曜夜、イスタンブルの39区で14,500人の警官が全市手入れを行い、610人の容疑者を逮捕し、大量の武器とドラグを押収しました。イスタンブル警察によると、この手入れは“犯罪防止と指名手配容疑者逮捕”が目的で、午後8時から深夜まで行われました。

 Sabah

警察は408人の指名手配容疑者と犯罪活動に関与した者202人を含む610人の容疑者を逮捕したそうです。対テロ班、情報班、組織犯罪班、対麻薬班、特別作戦隊、機動隊その他、トルコ国家警察イスタンブル支署の警察官が、予定されていた犯罪多発地区やバー、ナイトクラブなどを、夜を徹して捜索しました。

警察の声明によると、大量の薬物、58点の無免許・非合法の武器、7台の盗難車が、この手入れで押収され、非合法活動に使われていた162の作業場が発見されました。交通警察も今回の手入れに参加し、1042人の運転者に罰金を課しました。
警官たちは街路、とくにタルラバシュのような悪名高い犯罪地区をパトロールし、疑わしい人物と車を調査しました。麻薬中毒者が不法に使用している空きビルも手入れの対象になりました。

イスタンブル警察のセラミ・アルトゥノク署長は、手入れ中、記者団に、「この手入れの目的は、イスタンブルの人々がこの都市を安全だと思ってもらうのを目標にしています」と言いました。「この手入れで一般市民もイスタンブル警察が犯罪防止に努力していることを知ってくれるでしょう。皆さんに警察を信じてもらいたい。私たちは治安のために24時間働いているのです。イスタンブルはもっと住みやすく、もっと安全になるでしょう」

イスタンブルには1500万人が住み、ツーリストと移民も多くいますが、世界の大都市とくらべて比較的安全です。犯罪発生率も、防犯カメラの導入で、近年、かなり減少してきています。繁華街の物売りに化けた私服警官も、ひったくり、その他の小犯罪の摘発に貢献しているそうです。


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