他者から付けられた名は、お互いに有り、いつもその名で呼び合っている。いつも変わらない名は、用を足すのには必要である。ところが便利なだけでは、この私は満たされなくなっていた。名が固定されたままでは、不自由さがやってきた。いわゆる不登校と呼ばれていた、ある中学生との出会いにいただいた不自由が、私の世界が広げらてゆくきっかけになった。中学校に勤め始めて間もなくの頃で、ここから私にとっての「教育とは」が始まらせていただいた。今ここ、私にとどけられてくることば・わたし（名）になるにつれて、関わりが変わっていった。未知のわたし（名）に値遇（であ）える驚き。人生（人間として生まれ）させていただく道程に、この身を任せられるは楽。名は刻々に変わり続けられ、その名（とどけられてくることば）に呼吸させていただいている今・ここ。
あなたは、抑圧のなかにいる。当たり前のように、何事もないかのようにして、生活をしている。しかし、身は感じているのだが。積もり積もって身動きがつかなくなって、受診して内服薬に頼る現代人。ことばが大事になっていない現代病。言い換えれば、ことばを手段だと思い込んでいるところに、私は深く憂いている。精神は内服薬でごまかされない。内服薬でごまかせないことに思い知らされるには、時間を経てからになる。身はどんなにかどんなにか、自然にことばを声にしたがっているか。ことばを封印したら、一見楽になったつもりで、封印してみたら窒息しそうになったと聞いた。当然のことが、自身の体験で実感できたと言う。ことばはいのち、ってこれまで聞いて知っていたけれど、ホントかな？と、思っていたと。ことばに人間は呼吸している。実感こそが頼りに。カウンセリング学習と名付けられたところは、活き活きにならせていただける学び合いができる場である。人間になれないまま、自分の呼吸になれないまま、ほとんどの人々は息絶えていくほかはあるまい。
新しい自分を発見する、とか自分が変わる、とか救われる、とか言ったり聞いたりする。言い換えれば、ことばにであう出来事と言える。この出来事は自分がしようとして叶うものではない。ある関係で生じる。あえて言うならば、カウンセラーとの関係においてだ。カウンセラーと言っても、その名は実を指しているものではないから、選べない。学びが深まるにつれて、分かってくるのだが、生涯分からず仕舞いがほとんどではないか。幸いにして善き師に恵まれたと、しみじみ想う。
学びの道を閉ざしたままでいいの？。学んでいるつもりでいるんでしょうけれども・・・。どこかに、閉塞感が感じられているはず。あなたの声を内にこもらせておいたままにしておいては、学びにならない。あなたの声にしてこそ、あなたがあなたに顕らかになっていく道がひらかれていくのだ。どなたにも、生まれながらにして具えられている智慧を、生かされずに人生を終えてしまう。この体得が現代人には、著しく欠落していることに、私はひどく憂いている。自分の声にして、ことばに値遇（であ）える体験は、無上の慶びになれるのだが、たった一人では値遇えない。ことばはあなたに十分にいかされないまま、言い捨てられて往っている。その自覚はないままに。新潟カウンセリング研修センターは、ともどもに分かち合える場。自分自身の変容を望んでいるに違いない。思い立ったときに、道がひらかれていく。まず電話してみよう。☎０２５－２３０－５３２０（新潟カウンセリング研修センター）へ。
「ストレスになっちゃって」の類のことばは、よく聞くことばだ。あたかも、あるのが当たり前であるかのように、聞こえてくる。そう、聞こえてくるのもうなづける。ストレスが他人事になっているようだ。真に自分のこととして捉えられていたら、放っておけなくなるものである。つまり、放りっぱなしでいられるのだから。慢性化していて、鈍感になっている。ところで、ストレスと言われる正体は？人間関係のところに起こってくる。人と人との間の関係だ。それも、自分にとって愉快に感じられない感じのことを、指している。許容範囲が著しく狭められた状況では、生きているすべてがストレスになる。現代人のほとんどが、病んできているようだ。日常生活に支障をきたして医療機関を受診し、薬物に頼る人たちのなんと多いことか。結局、精神はごまかしきれない。精神（ことば）のことは精神（ことば）で応じさせていただく他はないのだ、と言う想いに至るに長い時間を経る必要がある。精神のことは精神でと言う想いに立てた人に、学びが始まる。自身のストレスを放ってはおけなくなった人に、カウンセラーとして、精神の手を差し伸べさせていただく。ストレスは、幸せに生まれ変わりたがっていた金の卵だったんですね、と聞かせていただけるように。