のんびり主婦のPCライフ

黒柴「ころたん」の平凡な暮らしと、
散歩と読書の記録です。

邪魔 / 奥田英朗

2002-02-03 | 読書(~2005.09)
講談社

7年前に妻を交通事故で亡くした刑事の九野は、ある調査のために仲間の刑事を見張るというモヤモヤした毎日を過ごしていた。夫と子供たちと新しいマイホームで暮らす主婦、及川恭子は、スーパーでパートをし、忙しい毎日を送っていた。ある日、恭子の夫が会社の当直中に放火事件が起きて、消火の際に怪我をするが、九野はその夫が自分の不正の発覚を恐れて起こした事件だとつきとめる。今まで幸せだった恭子はそれまでとは一転して夫を疑いはじめ、それから逃れるように、職場の雇用改善のために、市民グループの一員として、運動に加わっていく。しつこく夫を追う刑事と、子供たちを不幸にはしないと闘う恭子。病んだ刑事とヤクザとのかけひき。この先、光は見えるのか?

テンポがよいストーリーで、いくつかの要素が絡み合っているけれど、不思議と複雑さはなく、スラスラと読了。自分の守るべきものが壊されそうになったとき、いかなるものも邪魔と考え、何としても守りぬくのだという、そんな勢いを感じる作品だった。読み終えて、いったい何が「邪魔」だったのかと、ふと考えてみると、それはきっと自分のなかにある自分だったのではないかと思ったが・・・。それにしても恭子の人生、その後が気になるところである。(02/02/03)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿