サーチカの映画日記

〜好きな映画の覚書きなど〜 Since 2005

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ジャコ萬と鉄/深作欣二

日本 1964年 カラー 100分
1949年「ジャコ万と鉄」のリメイク。

この作品、相当良いです。大好き。
話の中に哲学があるから。
俳優の演技もめちゃくちゃ良いし、舞台設定が良いもの。

まずジャコ萬と鉄って、人の名前ね。
ジャコ萬が丹波哲郎。鉄が高倉健。
私、これまで高倉健の映画って全然みた事が無かったのだけれど、
これを見て、なるほど良い俳優さんなんだなって納得できました。
で、丹波哲郎もやっぱり文句なしにカッコいい。
存在感があって、嫌みがなくって、スッと話の中に引き込まれてしまう。

この作品の見所って沢山あるけれど、
「恨みを恨みではらしても、解決はしない」というような教訓があります。
その象徴的登場人物が江原真二郎演じる、前科のある流れ者だったりします。

今は見られなくなった北海道のニシン漁が舞台ですが、
ニシン漁の出稼ぎなんかで生計を立てていた人が居たという時代背景も、
見ていて興味深かったです。
わざわざなんで、こんな寒くて過酷な舞台設定が必要だったんだろうって思うけれど、
だからこそ、この映画には痛い程の生命力があって、生きる事の厳しさなんかが、
ビシビシと伝わってくるんだろうな。
セレブだなんだって浮かれている今のマスコミや風潮なんて、
クソくらえ(失礼)って感じに思えてしまう。

で、そんな厳しい場所で、潔く、正義感あふれるたくましい鉄が躍動する。
その生き方は押しつけがましいのではなくって、
ただひょうひょうと自分の信念を貫いて、
道理の叶った事をごく自然にやっているの。
普通なら大騒動になる場面も、彼の大きな人間愛が人の心を
良い方向へと導くんです。
本当に素敵な人間像がこの作品では描かれていて、
見ていると、心から清々しい気分になります。

宴会の場面もものすごく良かった。
つかの間の宴に酔いしれる漁師たちの姿が、
本当に切なくって、微笑ましくって、
彼らの故郷にいるそれぞれの家族の姿が見えるようで、
また、家族を養っていこうとする男たちの信念も見え隠れするようでした。
彼らの気持ちは、その場で唄われたソーラン節に象徴されているんでしょうね。
ソーラン節の後は、尺八の演奏で、みんなは日本の古風な抑揚に酔いしれます。
そして、鉄の踊りが披露されます。
彼が戦中に出会った、アフリンなリズムの舞です。

私はこのシーンの流れが大好きです。
とても良い演出だと思いました。
貧しい者が苦しい生活の中から生み出した民謡。
古典的な日本の抑揚を聴かせる尺八。
打楽器で陽気な異国のリズム。

また、漁師だけではなく、この時代に北海道に農業の地を求め移住した
開拓者の姿も描かれていました。
北海道は私の故郷なので、昔話は年配者から聞いていましたが、
その話が現実的な映像として目の前で繰り広げられ、
私は生まれる前の話なのに、どこか懐かしい気持ちがしてしまい、
是非、父にこの映画を見せてあげたいと思いました。

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監督:深作欣二
企画:関政次郎、植木照男
脚本:黒澤明、谷口千吉
撮影:坪井誠
美術:近藤照男、中村修一郎
音楽:佐藤勝
 
出演:
高倉健(鉄)、丹波哲郎(ジャコ萬)
江原真二郎、山形勲、高千穂ひづる
南田洋子、大坂志郎、入江若葉
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ジャンル:
映画(DVD)
キーワード:
ソーラン節高千穂ひづる1949年

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