そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

青の炎

2008年11月09日 | 人間/社会派ドラマ

2003年 日本 116分
■2008.11.3 DVD
■監督 蜷川幸雄
■出演
   二宮和也(櫛森秀一)  松浦亜弥(福原紀子)
   鈴木杏(櫛森遥香)  秋吉久美子(櫛森友子)
   中村梅雀(山本英司)  山本寛斎(曾根隆司)

 《story》

「こんなにも切ない殺人者が、かつていただろうか」
「17才の少年が望んだものは、
     平凡な家庭とありふれた愛。しかし、
         現実はそれさえ許さなかった。」


17才の秀一は、母と妹の3人暮らし。そこに、母が一度は再婚し、すぐに離婚した男が再び転がり込んできた。男は働くことなく、酒を飲んでは部屋に居座る。平和な家庭が崩れていく。母だけでなく、妹にも手を出そうとする。秀一は男を殺す決心をする。さまざまな医学書を読み、感電させて心臓発作で殺した。秀一を疑っていた刑事に、紀子は嘘をつき助ける。学校を抜け出したところを見ていた、不登校の友人が強請ってきた。コンビニ強盗に見せかけ、友人をも殺す。紀子は、追い込まれていく秀一を助けようとするが・・・。


 切なさが足りないよ

自分が鈍感なのか、仕方なく殺人に手を染めていく切なさを、あまり感じないのだけど。けっこう計画的に淡々と殺人をすすめているよな印象が強い。最初の殺人は衝動的に・・・そして隠蔽を緻密に。そして幸せになった家庭を守るために、さらなる殺人は冷酷に・・・笑顔の家族と対比的に・・・。キャッチフレーズには惹かれるのだけど、そのイメージが伴わない感じだ。きっと最後は自殺だなとだれもが思うのに、それを思わない刑事もおかしいよね。知っていてそう向けるとしたら。刑事のマウンテンバイクを買って練習する姿はいったい何なのか。彼の気持ちを探ろうとしているのか、それとも単なる気まぐれか。切なさは、怒りだけでなく、涙が止めどなくあふれる心のような気がする。しばらくして本を読もうと思う。活字と映像とどれくらい違うだろうか。

17才の自分は、あの頃何をしていただろうか。高校2年生。今と同じ写真が好きで、いろいろ撮っていたよな。カメラは親だのみ。バイトなんてできないから、小遣いで機材をいろいろそろえたなあ。白黒写真の焼き付け道具だ。今も押入に入っている。学校の暗室や家の部屋を真っ暗にして、フィルム現像から印画紙に写真を焼き付けていた。好きなことをしていちゃのだろう。科学系のクラブでキャンプにも行った。写真、昆虫採集、ほとんど遊びだけど。楽しかったと。全然上手じゃないけど、今もデジタルカメラで写真は撮っている。キャンプは行かなくなったなあ。行きたいのだけど、その時間も気力も、その条件も整わない。何とかしたいけど、時間ばかり経っていく。あの頃、殺人なんて考えなかっただけ、自分は幸せだのだろう。鈍感だったのかもしれないけどね。


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