■2004年 中国/日本 108分
■2006.3.1 TOHOシネマズ緑井
■監督 チャン・イーモウ 、降旗康男
■出演 高倉健(高田剛一) 寺島しのぶ(高田理恵) リー・ジャーミン(リー・ジャーミン-舞踊家) チュー・リン(チュー・リン-案内) ジャン・ウェン(通訳) ヤン・ヤン(ヤン・ジェンボー-息子)
《story》
「人と人とがわかり合えない時代。
最後の希望は、この胸の中にあった。」
「まごころが世界を変える」
高田剛一は、息子の病気入院の連絡を、息子の妻の理恵から受ける。息子が会いたがっているという話に、東京に出向く。彼と息子は長い間、壁ができ、音信不通だった。病室の前で、父親に会いたくないと理恵にどなる息子。剛一は、息子に会うことなく、理恵から1本のビデオを預かり戻るのだった。そのビデオは息子の健一が中国で研究している仮面舞踊が映っていた。そして、次回に「単騎、千里を走る。」の撮影を約束して終わっているのだった。息子の余命少ない病状を聞いた剛一は、中国に行き、「単騎、千里を走る。」の撮影をすることを決意する。そして人付き合いの苦手な剛一が一人中国に渡ったが・・・。
◎親子の確執、それは今の時代には、たくさんあることだろう。しかし、表面で相まみえないからといって、心の中でずっと反発しあっているとは限らない。多くは、修復を願っているのだと思う。しかし、そうできないこだわりが今の社会にはある。離れていても生活できるのだ。現代の科学、技術はそれを可能にした。そして人と人を離していった。離れたままでも生きることはできる。生きることはできても、心の中に空しさがいつもある。社会が人を切り離していく。
しかし、ともに何かをしているとき、自然と関わっているとき、そこには治癒の力が働く。自然と人間と文化、それが人と人の心を結ぶ。剛一が中国に行ったこと、自然の中であきらめずに歩んだこと、そこに感動と人の心を結ぶ力があった。
ヤンヤンもいつか父を受け入れる日がくると思う。それは剛一との出会いがあればこそ、実現が深まったと思う。自然とともに、文化とともに歩むことが大切だと思った。
オフィシャルサイト「単騎千里を走る。」