ニジェールに派遣された、同期の仲間から衝撃的なメールが届く。
大切なみなさまへ
ニジェールでのボランティア事業が撤退になりました。
全員日本に帰国するまで口外することができず、全員が日本に帰国したということで日本でこのメールを書いています。
14日から分かれて帰国し、最終組だった私は昨日22日、夕方福岡に帰ってきました。
治安が悪化し、気をつけて生活をするように常に指示されていたけれど、
まさか撤退になるとは思ってもいませんでした。
3月2日に緊急連絡網で撤退が告げられ、
それ以降、本当に長い長い一日一日を過ごしてきました。
様々な手続き、活動のまとめ、やらないければいけないことにおわれながら、
ふと考えると涙がこぼれて仕方がありませんでした。
フランス語も現地語もまだまだで、活動も大した成果もなく、悔やまれる気持ちからかもしれません。
自分なりに頑張ってきて、これからという時にと、残念な気持ちからかもしれません。
首都のニアメに上がったときには、もう隊員の半数は帰国をしていて、
ああ、これが撤退なんだな、と思いました。
無事に日本に帰ってくることができ、
帰るところがあることに、待ってくれている人がいることに感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、本当に本当に、この世の中で一番大切なものは命なのだとはっきりとそう思いました。
世界で活動するみんなが健康で安全で活動できるよう祈っています。
ニジェール隊は全員国外退避となり、現在日本へ避難。
一時帰国し派遣国振り替え待機している。
彼女は、同じ福岡の現職の教員。
同じ日に福岡空港から飛び立った同郷の同職の仲間。
時折ニジェールでの様子を知らせてくれ、
子どもへの愛情あふれる彼女のメールに癒された。
(→過去ブログ 「ニジェールより」)
撤退。
メールを読んで、何も言えない。
彼女の気持ちが胸に入ってきて苦しい。
私たち、派遣されて 今、ちょうど9ヶ月。
現職教員にとっては、あと1年の活動となった。
思っていたことと違う現実や、うまくいかないことが だんだん積み重なり
出会いや別れも経験し、いろんな要素がからまって、今世界中にいる同期の仲間たち
みんなきっと疲れている時期だと思う。
任期短縮を考えたり、一時帰国を考えたり。
決して自ら任期短縮を選択することが悪いとは思わない。
そうすることも、協力隊として活動を続けるのと
形は違えど、前に進んでいることに変わりない。
がむしゃらに突き進むだけが勇気ではない。
時には、やめる勇気も必要であり、それは大きな勇気だと思うから。
二本松にある派遣前訓練所でともに過ごした仲間の一人が、
任期短縮し4月から学校に復帰するが、私はそれは彼女の英断だと思う。
だけど、自分はどうなのかと考えたとき、
私が今やめるとしたら、それは勇気ではないと思う。
いろいろある中で、自分がここにいる意味を考えたり
日本での方がもっと必要とされるんじゃないか、
自分の力の5%も発揮できていないと、
少し後ろ向きになり、今心底一生懸命に活動に取り組めていない。
この同期からの撤退を伝える知らせで、自分の甘さを思う。
これだけの思いをもちつつ、撤退を余儀なくされた仲間がいるのに、私は、と。
簡単に任期短縮などの考えが頭をよぎったことが情けない。
1年後、タイからおみやげをいっぱい買って福岡に帰る。
この1年間、本腰を据えて活動に取り組む。
本当に突き当たってもうだめだというところまで
逃げずに取り組む。
一足先に帰った仲間と、1年後祝杯をあげて互いの労をねぎらいあいたい。