八ヶ岳山麓の暮らし

標高およそ1,200mの八ヶ岳山麓で、見たり聞いたり経験したことを気ままに書いています。

モミジするメカニズム

2016-10-14 06:57:07 | 日記
 10月半ばに白樺の黄葉で始まった庭の秋の彩りは、ひと月後のカラマツの落葉で終る。そのカラマツは黄金色に輝く年もあるが、最後はどれも茶色に変わって、少しの風でもまるで吹雪のように散り始める。その落葉の盛りの時は、別荘内の道路は茶色の絨毯を敷いたように美しい。そのうちに家の中から、鳳凰三山や甲斐駒ケ岳が見通せるようになってくる。秋は、どの木々にも葉が一番美しく色づく時があり、それをピークにやがて色あせ枯れて散っていく。その黄葉や紅葉のメカニズムについて調べてみた。(八田洋章著「木の見かた、楽しみかた」朝日新聞社)

 葉柄によって茎と繋がっている葉っぱの葉脈は、表側と裏側とでは全く異なる役割がある。表側は木部といって根からの水分や養分が流れる通路で、裏面の篩部(しぶ)は光合成によって作られたでんぷんを茎や幹に運ぶ通路だとのこと。秋になり気温が下がってくると、葉柄と茎との基部に離層と呼ばれる細胞の層が出来て、先ず篩部の通路が切れて遮断される。こうなると作られたでんぷんは茎に移動できずに、どんどん葉に貯まることになる。

 葉の中ででんぷんは分解して糖になるが、一方、葉の葉緑素(クロロフィル)は老化してアミノ酸に分解される。この糖とアミノ酸から、葉っぱを彩る色素が合成される。この時、一日の気温差や日照時間によって、合成されたでんぷん量やクロロフィルの分解の程度が異なると合成される色素が違ってくる。アントシアンは鮮紅色、フロバフェンは茶色に葉を彩ることになる。ただし、黄葉は、色素の合成による発色ではなくて、もともと葉の中にある葉緑体では吸収できない光を吸収して光合成するカロチノイドという黄色の色素が、緑を彩っていた葉のクロロフィルの分解によって、表に現われ出た結果による。

 黄葉も紅葉も盛りを過ぎてくると、葉柄の基部にできた離層に細胞膜を溶かすセルラーゼ、ぺクチナーゼのような酵素が出来て木部の通路を切断する。こうなると根からの水分補給が絶たれて、枯れてやがては落葉する。葉が枯れたまま越冬して、春まで付いている木もある。ブナやカシワは新緑の葉芽に押し出されるようにして、ようやく落葉する。なおカラマツの茶色の絨毯の中に混じっている茶枯れた赤松や黒松の葉は、これは一昨年の葉全部と去年の葉の一部が落葉したもので、春から秋までの7ケ月ほどしかない落葉樹と違って、葉の寿命は2年位といわれている。
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