【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

 かんろあめひびきわたるうたげ 自作涅槃長編活劇

KINGREDDY【176】麗しのソーマ・ココネ

2012-12-08 | 1-1 KINGREDDY



 KINGREDDY【176】 


「陶酔も十分満喫。いい加減、自分自身で苛立ってる」

「苛立って俺ヒマ...出番もスルコトもない。毎日ガルーラに出向いても
 時事遂行に口出す難儀事もなく君と楽器を奏で歌を歌い剣に弓に
 ただ動くだけだ。かと言って、それをわざわざ疲労する気ない」

「ヒマよね。でも、英雄宗教への溶解はイトマ続き」

「そうか?流れ次第だ、呼ばれないなら俺は出向かない」

「それは嬉しくないからでしょ?」

「義務任務の何が嬉しいんだよ?.......わかってるけど」

貴方は何でも直ぐクリア。出来ないことがあっても時間が解決するとわかって地道。けど、雲や霞を手に入れる方法だけはわからないからいらいら。一旦、心に気にし出したユマへの思いは消えない。心がヒマだから何が起こっても何もかもが平坦。心が忙しくなったなら掴めない雲や霞はただそこにあるものであって心と目で愛でるものと気がつく。

「心が忙しい...俺にそんなの」

「だから英雄宗教の溶解 じゃない。彼ら相手は多忙」

「俺は直ぐ解決する。解決法はわかりきってる」

「デキナイコトもあるわ?外国の女性を虜に出来る?カミラやマリア
 他の妃たちような 与えられた女性 ではなくリュディア人の女性
 ではなく、外国の女性を虜にしたことある?いいえ、カミラやマリア
 だって虜に出来てない」

「む... 」

「出来ないでしょ?貴方が甘えてばかりいるからよ」

ラトーはっ!!と思ったが、あれは男だった。

言われて見れば、俺はそんなことが出来るのか?と思う。

男なら外国人でもその気になれば付き合うに易いでしょう。

5つの人の毒―5欲をくすぐれば何でも思いのまま。

策略に忠誠に仁義に宣誓、友情に友愛、慈悲に利得...頭脳、数式、図式、戦略、手段、方法...でもそれらは虜に出来るってことじゃない。

貴方は外国人だろうと誰だろうと本気で好きになるから相手が自分の元から去っていくのを祝福して見送る。

生きる世界が違う互いが今一瞬だけ交感し交錯したと叡智るから。

カミラとマリアは違う。妃たちは男たちのコマ。可哀相な運命。
自分の好きな人と愛し合って結婚出来ないなんて最悪のこと。

「最悪.......う...わかってる」

「私は妃たちのことを思って話してるわけじゃないわ。貴方の未熟
 問題を挙げてる。貴方が未熟だから妃たちが可哀相も言ってない」

「わかってるよ。ただ妃たちの...自由恋愛なく
 最悪だ...っていうのは同情してる...ずっと」

「知ってる。カミラが自分のことを好きじゃないから困苦してる。
 イーダも霞を掴むようなもの。そこにあるの を愛でいただけ。
 だって、妃たちの好きになる人は貴方じゃなかった だもの」

「わざわざ言わなくていい」

イーダもカミラもマリアも他の妃もユマもハービァも私たちも同時に愛してる、それぞれ愛在るって言っても外国で育った彼女たちに通じない。

ね、貴方は完璧を要求されてる。リュディア王として。

本当の涅槃叡智は全世界の何もかもを包括することよ?

英雄宗教の人は右左に偏ることしか知らない。

中庸の叡智は左右上下全てに究極に偏ることと偏らないことを叡智るという事。それが肉体に自在に備わらないでは叡智るとは言わない。

「何かをナシとしても存在するならアリということの」

そう、それ。だって...例えば、殺人したい!って感情はどう頑張っても私たちには無理だから。

でも、外国人は、殺人したい!の感情を持ってる。

殺人じゃなくても他者より優位でいたい。とか...それ、何故どうして?

それはリュディア人には永久に理解できないモノサシ。
けど、動機や気持ちを理解することはできる。恋愛も。

それが貴方の最後の砦...そろそろ慌てる?

「ハハ.......五月蠅い」

レッディはココネの身体を抱き寄せて深くキスをして笑った。






クムーリは夜更けになっても飲食店やラセンに行き交う人々が道の端々に挿される松灯に照らされて静かに賑わっている。

レッディは帯剣ない平民服でルリエフの 『ローズ』 に行くつもりで出てきたが、足は自然にクムーリに向いて―酒に酔って楽しそうに談笑をして歩く人の中を暫く巡った。

そうして、『ローズ』 の扉を開けた―ここもまた沢山の夜の客で賑わっていて酒と男たちの臭いで蒸せ返していた。

レッディが店一杯に広がる客の絨毯の酒席を通り抜けて奥に進むと、『ローズ』 のスタッフに、珍しいな。と声を掛けられた。

「デアンもルバートも厨房にいる」

「え、デアンもいるのか?」

「ああ、ここんところはずっといる」

レッディは歓喜して厨房の中に入って行った。

料理を作っていたデアンとルバートに、何だ?珍しい!と驚かれて―意味もなく何だか照れ臭い。

「ルバートにデアンを呼んでもらおうと思って来たんだ」

デアンは笑いながら、直接ここに来るとは。と言って奥に誘った。






「俺はお前の命令で獄中勤務。夜だけヒスイってわけに行くか」

デアンは絨毯に座ってワイン瓶を手にふたつの木製カップに注ぎ、ひとつをレッディに手渡した。

「あ...飲まないか」

「注いでから気づくなよ。けど、飲む」

「飲むようになった?」

「美味しいとは思わないけど。だって甘い」

「じゃエタノールでも飲むか、ビールにするか」

「ワインでいい」

「あはは。な、レッディ、俺は国防が戻っても何も聞いてない。
 ネハク情報もヒスイの情報でも何も引っ掛からないんだが」

「 ...いろいろとウソの上にウソが乗ってるんだ。漏らしてない」

「ふうん...言える真実は武闘会だけか」

「それで結果が出る。それだけだ。後は...憶測にしかならない」

「そうか...集まってるのか?武闘会の」

「それだ、びっくりする。そろそろ本気で締め切りしないと2日や3日も
 かかる催しになってしまいそ...いや、そんなのは1競技にどれだけ
 時間要するかわからないから見当つかないんだけど、既に200超」

「それは未だリュディアに潜む逃亡兵や賊ではないな?」

「わからん...けどそんな感じ。これ幸いに外国の死罪の罪人も多いが
 一攫千金なのか...しかし、そう簡単に命を賭けるのか?と...思う」

「わからんね。何しろ褒章がでかい」

「 ...もっと安っぽくすべきだったか」

「あはは、国事がケチ臭かったら怪し過ぎるぞ。
 数多いほどレイリイオンの価値上がると思え」

「そうだな」

「聞かないのか?レイリイオンのこと」

「当日でいい。デアンを信じる」

「俺は何もしてないぞ」

「え」

「お前はレイリイオンの戦闘勇姿を見たことないから知らないからな
 連勝出来るよう特別配慮したかったのだろうが、その必要はない」

「準備せずとも連勝する?」

「強者がどういうことかお前は解ってない。リュディアの近衛やジルフォ
 を相手にしたらそう簡単にはいかないだろうが、出場者にそれほどの
 強者がいるとは考え難い。武才者なら既に国の将軍とかになってる。
 レイリイオンが出るなら、武芸の師と初心者の束 の武闘会」

「 ...そうなのか」

「相手に同情する。まあ、逆上せた賊が出てくれるから賊一掃試合で
 嬉しきことこの上なしだが。仮に、強者がいてもほんの少数だろうし」

「時間かからず勝ち抜くか...毎日、何をしている?」

「やっと興味出たか?俺と近衛連中とで練習してる。地下室に
 閉じ込められてはヒマ過ぎる。特別な何か、魔薬とか?何も
 やってないよ。尤も、あいつには利かない。お前と同じだナ」

「利かない?」

「なあ?外国人にしては不思議だ」

「遣ってみたのか?」

「一応な。王命だから。心の底から裏からへドロ混乱妄想辛苦ナシ」

「外国人に...そんなことあるのか.......いや...だから強いのか?」

「それは言える。英雄宗教の中で裏表なくうそなく生きて来たんだろう
 そんなこと遣って退けて来たってことが最も凄え!と思うに値する。
 で、話変わるが、武闘会のお蔭で反乱軍とサナストナフは大人しく?」

「え.......ん。サナストナフはレイリイオンの首を待ち焦がれてる。
 レイリイオン対策無くなった分、俺のユマを探せと言ってある」

「あ・はは、それ...はあ、王は強いなあ」

「リュディアに叛旗は自分の首が飛ぶ くらい知ってるよ。反乱軍は
 ムーハスがいないことでリュディアの援軍大将アジャリフが占めた。
 そこに慌てたジャイフが舞い出てくることを願ってる。が、なかなか
 出て来ない。たぶん、武闘会の日、調印式にも出て来ないだろうから
 ムーハスの首でもってサナストナフとの和睦。が、そこをアジャリフが
 ムーハス代理に立つことでドニカ占領。ってことでその後リュディアは
 サナストナフにドニカ領土を返還す。ジャイフは、サナストナフの方で
 捜し出して処刑してくれる」






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