庶民感覚

へそ曲がりの庶民が見た世相

規制緩和

2007-10-08 06:32:47 | Weblog
先日、某大学で「規制緩和の功罪」について講義をした。小泉元政権前後の行き過ぎた規制緩和路線によって格差が拡大し、勝ち組、負け組の図式が固定化してしまった。これにより低所得者層の消費が低迷している。
規制緩和によって弊害が出ている分野を紹介しよう。第1は、今話題になっている「労働者派遣」の問題である。労働者派遣法の設立の目的を逸脱し、政府自民党と財界の都合の良い法律に変えられてしまった。当初、専門職のみに認められていた派遣業務を製造業までに拡大し、ワーキング・プアという階層を作った責任は重い。
第2は、タクシーの規制緩和によって2002年から現在までタクシーの台数は倍増したが、乗客数に変化がなく、タクシー運転手の年収は減少を続けている。その他、外国人の研修制度の問題もあるが研修生制度については近々に問題提起をしたい。
そして、小泉元総理の旧田中派の怨恨から生れた「郵政民営化」である。我々国民は、小泉氏のパフォーマンスに騙され、郵政民営化選挙で国会に多くの自民党無能議員を誕生させてしまった。10月1日、郵政の完全民営化が実施された。多くの簡易郵便局が「廃止」された。山間部に住む「足」のない高齢者にとっては死活問題である。