サッカー日誌 / 2011年07月12日


「なでしこ魂」にハットオフ


女子ワールドカップ観戦日誌(16)

7月9日(土) 
準々決勝
日本 1対0 (延長)ドイツ (20:45 ヴォルフスブルク)
フランス 1対1 (延長 PK) イングランド(18:00 レバークーゼン)


★歴史に残る大金星
 女子ワールドカップの歴史に残る大番狂わせだった。3回連続の世界一を目指しているドイツを、その地元で日本が破った。
 プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた澤穂希の言葉がぴったりだった。「正直、びっくりしています。いつかドイツを倒す日がくることを目標にしていたが、それが、こんな大きな舞台で実現して、すごくうれしい」
 3日前のイングランドとの試合の挫折からみごとに立ち直っていた。その、したたかな「なでしこ魂」に脱帽した。中3日の休みで体力、気力がいくらか回復するにしても、前半を持ちこたえるのが精一杯だろうと予想していた。ところが前半は互角以上に中盤を支配していた。後半なかば過ぎから押し込まれるようになっても、守りを踏ん張り、適切な試合運びでしのいで延長戦に持ち込み、延長後半3分に決勝点をあげた。

★冷静さを失わない試合運び
 「なでしこ魂」を気力とか「ひたむきさ」といった精神論で片付けたくない。重要なのは、肉体的疲労で脚力が落ち始めても冷静さを失わずに、状況に応じて適切なプレーを選択したプレーヤーの戦術能力である。延長に入ってドイツの攻勢が続き、日本が守りに追われているときも、落ち着いているのは「なでしこ」で、あせっているのはドイツだった。
 中3日の間、体力と気力を回復させるために支援スタッフはさまざまな努力をしただろう。試合の前に東北震災の画像を見せて「被災者の力になれるようにプレーをしよう」と呼びかけたという。単に「カツ」を入れるのではない「くふう」があった。
 決勝点は、数少ない逆襲のチャンスにたまたまゴールが生まれたようにみえる。しかし、澤はこう語っている。「ボールがきたとき、丸山(桂里奈)選手が走っているのが見えたので、そこに合わせました」。落ち着いた判断と正確なキックの成果である。

★ドイツの三つの敗因
 ドイツの敗因をあげるとすれば三つある。
 第一は、開催地元で3回連続の優勝を期待されているためのプレッシャーである。スタンドを埋めた2万6千の観衆は、ほとんど全部、ドイツ応援だった。その中に入ってきた選手たちの表情は硬かった。
 第二は、キックオフ直後にクーリックがひざを痛めて交代、退場したことである。中盤でパスを組み立て、攻守のリズムを作るプレーヤーだったので、大きな痛手だった。
 第三は、ベテランのプリンツをベンチに置かなければならなかったことである。ドイツ女子の花形ではあるが、体調十分ではなく、初戦と第2戦は先発したものの後半に交代した。本人は交代に不満な様子だった。チームのまとまりに影響があったかもしれない。
 サッカーでは何が起こるか分からない。それを実感させた試合だった。


ドイツとの試合前の「なでしこ」。



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