"ぼうや、足が痛くなったの? しばらく休みましょう。
その道の端でしばらく休みましょう。"
私と女の人は岸の端にもたれるようにして、しばらく休むことにした。
私はとても悲しかった。月が出ていることも。とても強い光を発していることもわからないくらいに。
"足は大丈夫? これからしばらくあるけれど・・。"
女の人は私の足を気遣ってくれる。足をさすってもくれたが、私はすこししてもういいよと断った。
女の人はそれ以上なにもしなかった。
私はとても悲しくて、女の人がどういう表情を浮かべていたか、見る余裕もなかった。
"大丈夫? もうすこしだから。がんばれる?"
私は深くうなずいた。そして、また歩きはじめた。
道は岸に添って続き、だんだんと上っていた。
そのむこうで道は左に折れ、月と海が広がっている。
波も立たない、本当に静かな夜だ。
私は歩き続けた。女の人は私のそばを離れなかった。
それから二人、なにも言わずに夜の道を歩き続けた。
"もうすこしだからね。がんばりましょう。これからも仲良く、なんでも話せるようになりましょうね。"
私はなにも言わずに歩いた。
こわばった表情を浮かべるでもなく、ただ月の明るいのだけを気にしていた。
女の人は私のそばを離れなかった。
母親をなくし、ひとり孤独になった私を家から連れ出してくれた、やさしい女の人なのに。
その時の私は、月の明るいことしか気にすることができなかった。
その道の端でしばらく休みましょう。"
私と女の人は岸の端にもたれるようにして、しばらく休むことにした。
私はとても悲しかった。月が出ていることも。とても強い光を発していることもわからないくらいに。
"足は大丈夫? これからしばらくあるけれど・・。"
女の人は私の足を気遣ってくれる。足をさすってもくれたが、私はすこししてもういいよと断った。
女の人はそれ以上なにもしなかった。
私はとても悲しくて、女の人がどういう表情を浮かべていたか、見る余裕もなかった。
"大丈夫? もうすこしだから。がんばれる?"
私は深くうなずいた。そして、また歩きはじめた。
道は岸に添って続き、だんだんと上っていた。
そのむこうで道は左に折れ、月と海が広がっている。
波も立たない、本当に静かな夜だ。
私は歩き続けた。女の人は私のそばを離れなかった。
それから二人、なにも言わずに夜の道を歩き続けた。
"もうすこしだからね。がんばりましょう。これからも仲良く、なんでも話せるようになりましょうね。"
私はなにも言わずに歩いた。
こわばった表情を浮かべるでもなく、ただ月の明るいのだけを気にしていた。
女の人は私のそばを離れなかった。
母親をなくし、ひとり孤独になった私を家から連れ出してくれた、やさしい女の人なのに。
その時の私は、月の明るいことしか気にすることができなかった。









