磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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芸術と戦争-従軍作家・画家たちの戦中と戦後-

2009年10月28日 | 読書日記など
『芸術と戦争-従軍作家・画家たちの戦中と戦後-』
   もりたなるお・著/産経新聞出版2007年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「戦争に関しては作家たちはさまざまな対応をした。全面協力者もいれば止むを得ずという人もいた。陸軍大臣東條英機が発想する戦陣訓“生きて虜囚の辱めを受けず”の文章は、島崎藤村の監修によった。そうかと思うと、大菩薩峠の中里介山は戦争協力組織である。“文学報国会”を拒否したといわれる。-略-」

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ベストセラー作家・火野葦平。 下「」引用。

「『麦と兵隊』『土と兵隊』『花と兵隊』の三部作は三百部を超すベストセラーとなった。
 印税で建てた若松の家は、かっぱ好きの葦平が河伯洞(かっぱの住む家)と名づけたのである。」

ニュースと従軍作家・小林秀雄
「芥川賞は文壇における金鵄勲章です」 下「」引用。

「芥川賞と直木賞を主宰する実質的オーナーは、文藝春秋社長菊池寛である。
 菊池寛は戦地にいる兵隊が芥川賞に決まったことに、経営者としての頭を働かせた。
「これは文壇だけの話題ではない。時局的なニュースだ」-略-
 折しも従軍作家として中国に赴くことになっていた評論家小林秀雄に、表彰状を託したのである。
 小林秀雄の来意伝達を受けた火野葦平所属部隊の部隊長は陸軍幼年学校から士官学校と一貫して軍人教育を受けた男だが、芥川賞のなんたるかは知っていた。幕僚のなかにも旧制中学校や師範学校を出た者がいたので、-略-「-略-芥川賞は文壇における金鵄勲章です」という者が出た。」

従軍看護婦“戦場の天使”をかく・東郷青児。下「」引用。

「女人像なら手馴れている。自家薬籠中のものである。
 戦地に配備される女性は、従軍看護婦と従軍慰安婦だ。
 従軍看護婦は兵士の傷の手当てをする。従軍慰安婦は兵隊の性処理に応じる売春婦である。これは必要悪として止むを得ないものだが、表に出すわけにはいかない。
 とすれば『火筒の響きの従軍看護婦』ということになる。
 従軍看護婦は赤十字社に所属する。万国共通の組織である。敵も味方もわけへだてなく看護する。-略-」

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岡倉天心は明治の文部省と戦ったという……。

戦争協力をした翼賛漫画。下「」引用。

「漫画家の多くは、戦争協力のためのいわゆる翼賛漫画を描いて軍部に協力した。
 進んで協力した者と、不本意ながら協力せざるを得なかった者とがいる。
 いずれにせよ翼賛漫画を描き、日本が進めた戦争を聖戦として美化したことに変りはない。-略-」

漫画家には、戦犯追及はなかったという……。下「」引用。

「ヒットラーから親書をもらい、翼賛漫画家の旗手とされた加藤悦郎は、日本共産党の陣営に馳せ参じて、そのすじの雑誌や新聞で戦中の軍、官、財の行動を攻撃した。百八十度の転換だったが、それを批難する者はほとんどいなかった。
 戦犯追及の嵐は、漫画界の頭上遙か上を通り過ぎたのである。」


翼賛漫画について検索して調べていた。

サザエさんの長谷川町子が「"翼賛漫画進メ大和一家"」という作品を書いていたようです……。

岡本太郎も戦争にいったようだ。下「」引用。

「昭和十七年一月、三十一歳で応召し中国戦線に赴任、在支四年に及んだ。-略-」

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