磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

城山三郎昭和の戦争文学 第5巻 落日燃ゆ 幻の虎 第6巻 指揮官たちの特攻

2009年01月03日 | 読書日記など
『城山三郎昭和の戦争文学 第5巻 落日燃ゆ 幻の虎』
   城山三郎・著/角川書店2005年

--月報に書かれてあることだが……。
大岡昇平、太宰治、松本清張は同年齢だという。
佐竹の父も同年齢だとか……。
それぞれの立場があるだろうが、苦しい立場だった清張は素晴らしいと思う。

「落日燃ゆ」は広田を主人公にした小説。
吉田茂がよく出てくる。

広田の息子は自殺したという。下「」引用。

「他殺とすれば、軍部か右翼か、幣原外交の妨害を狙う一味の仕業である。事実、そのころ、佐分利は身の危険を感じるような言葉を漏らし、またピストルを携帯せねばならぬような状態の中に在った。」

三島由紀夫のように誤診してもらえば、自殺しなかったろうに……。



『城山三郎昭和の戦争文学 第6巻 指揮官たちの特攻』
   城山三郎・著/角川書店2005年

「指揮官たちの特攻」は特攻のいろいろなことが書かれてあった。

真珠湾では無事収容を条件としていたようだ。下「」引用。

「山本大将は、攻撃後の無事収容を条件にして発進を許したのだが、そのようにはならず、これは後になってわかるのだが、一名が捕虜になり、戦死した九名については、大本営は直ちに「九軍神」として高らかにうたい上げ、これが後の大挙しての特攻出撃の下地になって行く。」

アメリカ、カリフォルニアの田舎町の航空博物館。下「」引用。

「「桜花」の背後の壁面に書かれた大きな文字であるBAKA BOMBとある。」

兵器ではない「桜花」……。下「」引用。

「考えてみれば、「桜花」はアメリカ人に限らず、ふつうの人間の常識では兵器の枠に入るものではない。
 武具とか兵器とかは、まず身を守り、あるいは身を守ることを前提として、相手を斃(たお)そうとする道具のことである。うまく斃せるかどうかは別として。
 ところが、「桜花」は必ず斃せるという保証が無いのに、自分が斃れることだけは確実である。」

真珠湾の特殊潜航艇とは意味がちがうという……。下「」引用。

「真珠湾攻撃の特殊潜航艇は、生きる可能性が残されていてたし、事実一人生還している。
 ところが、人間を封じこめロケット弾として射ち出される「桜花」は、生還の可能性を全否定。こちらが斃れることだけはまちがいないというのだから、とても兵器と呼べるものではない。」

index

「桜花」はロケット弾だったという。下「」引用。

「それにしても、帰還を考えていないロケット弾であるだけに、訓練や試乗をしたあと、着地するのが、極めて難しかった。
 発進する際には、まず母機に吊るしてある金具が炸裂(さくれつ)し、「桜花」はいわば発射された形で飛び出し、「真っ逆さまの感じ」で落ち、時速六四八・二キロの猛スピードに達する。」

Index












index

目次



エンタメ@BlogRanking


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。