磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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未決の戦争責任

2010年06月04日 | 読書日記など
『未決の戦争責任』
   粟屋憲太郎・著/柏書房1994年

「「補償後進国」日本は冷戦によって作られた」 下「」引用。

「-略-日本をアジアの反共の拠点にするためのアメリカの意図が貫徹したもので、日本の経済復興と発展を優先して、日本にとっては寛大なものだった。日本による戦争被害や植民地支配を賠償、補償するに十分なものではなかったのである。やはり今となっては冷戦時代の見直しが必要だ。また湾岸戦争で一二○憶ドルを投入する経済大国日本の姿を見て、前述の補償要求が続出するのも一面では当然である。」



かつての同盟国・ドイツ。下「」引用。

「しかも、かつての日本の同盟国だったドイツは、「人道に対する罪」には時効が存在しないとの立場をとり、旧ドイツ領内で戦争被害を与えたユダヤ人や外国人に、これまでに約七兆円を補償し、今後の各種の補償の計画は二一世紀にまで及んでいる。また米国やカナダも、戦時中の日系人の強制収容に補償した。これらの先例を見ると、日本は、「補償後進国」といえよう。」

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「1 従軍慰安婦問題と「補償後進国」日本」
「消されかけた歴史とあまりに官庁的回答と」

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在韓被爆者の運動。下「」引用。

「韓国・朝鮮人関係では、在韓被爆者の運動があり、一九九○年の盧泰愚大統領(当時)の訪日を機に、日本政府はODA(政府開発援助)資金のなかから四○億円を支援基金として供出することになった。しかし被爆者の間では、「被爆と戦後四○余年の苦痛を償うにはあまりに少ない」との不満が出ている。-略-」

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七三一部隊の被害者遺族。下「」引用。

「-略-七三一部隊によって人体実験のうえ虐殺された抗日運動家の遺族からも、最近、事実の確認と謝罪、補償の要求が出された。-略-」

パラオからも。下「」引用。

「この他、東南アジアからも泰緬鉄道建設のためマレーシアで現地住民を強制連行、労働させ、多数の死者を出したことへの補償運動や、インドネシアで「兵補」として徴用された人々の補償運動があり、太平洋のパラオからの補償要求もある。」

「細菌戦・毒ガス戦の免責」「米国の免責の意図」 下「」引用。

「そして東京裁判で日本軍の化学戦が国際法違反と判定されれば、化学戦の違法化により逆に米軍の手をしばることになると判断して、米国は日本の毒ガス戦を免責したのではないかと推定している。
 米国の化学戦遂行の意図は、後にベトナム戦争での枯れ葉作戦として実現することになる。-略-
 米国は、日本軍の細菌戦、毒ガス戦が明白な戦争犯罪と知りながら、これを隠蔽するという権力犯罪を行なったのである。」

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もくじ

進駐軍は、「きわめつけの悪党」と笹川良一と児玉誉士夫のことを形容していたという。

岸信介の調書。下「」引用。

「また検察側の人員、とりわけ速記者の不足のため、速記者不在で尋問がなされた場合もあり、この時は尋問の全問答ではなく、要約が記録として残された。岸信介の調書がこのケースで、資料としては物足らない。」

「石原莞爾-陰の主役、調査も不備で被告除外」

城山三郎の『落日燃ゆ』のフィクションの部分。下「」引用。

「広田は法廷ではいっさい証言に立たなかったのだが、城山は広田のスガモ・プリズンでの尋問についても、「イエスかノー程度の最小限必要な返事しかしなかった」と記している。しかしこれは誤りだ。尋問調書は英文で一八○ページに及び、広田は外相、首相など公職にあった時期の政治、外交、軍事問題と、自らの立場について、かなり具体的に陳述している。広田の説明が長くなりすぎると、尋問官が止める場面さえあり、また広田が英語で答えているところもある。-略-」

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キーナン局長は天皇制は「高度に危険」で廃止すべきと書き送った。1945年12月22日。

細菌部隊のマイクロフィルム。下「」引用。

「かつて東京裁判の国際検察局が収集した膨大な証拠用資料のうち、その一部を収録したマイクロフィルムを国会図書館で見て、一六四四部隊が一九四二年に淅贛で細菌戦を実施していたことを示す。同部員の証言を発見した。
 さらに同じマイクロフィルムには、陸軍習志野学校案「支那事変ニ於ケル化学戦例証集」(以下、「例証集」と略称)という資料の表紙と目次だけが収録されていた。-略-」

大キャンペーン「満州事変60周年」、中国で。

そして、ドラマ。下「」引用。

「また中国では、昨年の九月一八日から夜のゴールデンアワーで、七三一部隊を描いたドキュメンタリー・テレビドラマ『荒原城堡』を一○回にわたって放映した。-略-」

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「米ソ両超大国の駆け引き」 下「」引用。

「最も興味深井のは、昭和天皇と財閥に対する方針である。というのは、この時期、ソ連は新聞やラジオでしきりに「天皇や財閥を裁け」と主張していたからである。-略-」

野坂参三の意見は異なった。下「」引用。

「日本共産党が掲げる天皇制打倒のスローガンは正しくないと思われる。天皇に対する信仰は、日本国民の中に根強く残っており、もしも天皇制打倒を声高に叫べば、共産党は大衆から切り離されて、その支持を失うであろう」








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