磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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長い休暇

2008年04月22日 | 読書日記など
『長い休暇』
  伊藤文隆・著/木犀社1982年

短編連作のようです。その一部に長崎での原爆のことがほんの少し書かれてあります。原爆の体験といっても、それぞれです。そう健康被害もなかった人もいますね。これも事実ですね。



■目 次■

抉(えぐ)られた空  5
葬送の街  39
長い休暇  71
そして冬へ  107
冬の記憶  157
航空ショーで  191
  魂の表現  中村八朗  204
  あとがき  206

「そして冬へ」と「冬の記憶」が原爆にあった主人公のことが書かれてあるが、原爆は新聞の三面記事程度に書かれてある。

長崎の人と声をかけられ、長崎でのことを思い出す。
しかし、小説での呼びかけはこうだ。下「」引用。

「「あんた、うちの死んだ息子によう似とる。ほんに、よう似とる」−略−「あんたも長崎のひとでっしょ。あんときに、どこにおらしたと」」

景色をみて信じられなかったという。下「」引用。

「あの黒一色につつまれた光景が本物で、いまこうして見上げる街の様相はもしかしたら幻想であるかも知れない。これほど急な変貌であってよいものだろうか。なにかこの景色の中には嘘があるのではないだろうか。」

景色の中の嘘? ボクにはよくわからない表現です。
−−イヤでも事実からはじめるしかないとボクは思う……。

原爆の時には、島原半島に……。下「」引用。

「母の原子爆弾の投下される直前に、浦上のかれらの家から僅かの距離しかない大学病院で、夏風邪をこじらせて急性肺炎を思い逝ってしまった。空襲警報下のあわただしい葬式をすませ島原半島の南側にある母の里へ、残された一家が母の遺骨を収めに逝っている留守中に、原子爆弾が投下されたのであった。」

−−中村八朗が書く。
著者は「文学者」という雑誌に、いくつかの作品を発表したという。下「」引用。

「伊藤君は二十代の若い時に、そのきびしい壁を突破した。純文学作家としての才能をすぐに高く評価されていた人である。」

そして、この本について。下「」引用。

「この作品集は、個々の短編としては独立しているが、通読すれば一つの長編にもなっている。」

そして、こうも書かれてある。下「」引用。

「これらの作品の中で、作者はいたずらに告発したりわめいたりはしない。少年の眼と心を通して、地道にじっくり悲しい現実を静かに描き出している。」

いたずらに告発?
−−この表現も具体的にはよくわからない。

原爆の実相というのは避けられたようであるが……。

相手にさっして欲しいという文章であると思う……。








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