磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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平和のための革命 The peace revolution

2009年03月17日 | 読書日記など
『平和のための革命 The peace revolution』
    ジョン・サマヴィル(著)/芝田進午(訳)/岩波書店1974年

「日本語版への序文」 下「」引用。

「-略-今日のアメリカの雰囲気の特徴である。これらの道徳的腐敗と犯罪はあまりにも大きく、このさきどのくらい長くニクソンが大統領の地位にとどまることができるのか、だれもわからない。そして、たとえ彼があすにも辞任をよぎなくされ、あるいは明後日にでも弾劾され、有罪宣告をうけても、だれもおどろかないであろう。だれもが緊張緩和を歓迎してはいるが、それが真の緊張緩和であるとは信じていない。したがって、あすにでもこの緊張緩和が風船玉のように破裂して消えうせても、だれもおどろかないであろう。-略-」



正当化する理論……。下「」引用。

「ジョンソンおよびニクソン政権のもとでは、エスカレートされ、拡大されて、大規模な戦争政策になった。かつての奴隷制を哲学的に正当化する議論があった。(たとえばプラトンやアリストテレスにみられる。)その議論は、奴隷階級(高度の知的活動の能力をもたない人びととみなされていた)あるいは主人階級(知的階級の能力をもつ人びととみなされていた)にぞくしているのは、それぞれにふさわしい人間であることを確認すべきだという原理を主張するレベルをこえなかった。それと同様に、資本主義経済にもとづく帝国主義を哲学的に正当化する議論がある。(たとえばアイゼンハウアーとその後継者たちにみられる。)この議論も、ひとり善人だけが自由を信奉しているのだから、善人が支配しなければならないという原理を主張するレベルにとどまっている。」

「消失トリック」 下「」引用。

「われわれは「消失トリック」という手品のトリックをよく知っている。このトリックでは、一瞬前まで実際にあったものが、魔法によって完全に消えてしまったようにみえる。「戦争」という言葉をめぐる事情の変化には、これと反対の種類のトリックがみられる。それはいわば「不変のトリック」とよんでもよいものである。このトリックでは、あるものが、実際にはべつのまったくちがったものにおきかえられているのに、なお、前と同じ姿がそこにあるように見えるのである。同じ古い言葉を使う場合、ちがったことをのべているのに、意味論的には、このトリックと同じような効果がえられる。
 このことは、あまりにも単純すぎて信じがたいかもしれない。しかし、言葉の使用と、人間の心理ならびに行動の事実との連関をよくかんがえてみればわかるように、実は、このことは単純でも信じがたいことでもない。すなわち、態度をしめしたり評価したりする習慣というものは、どんな場合でも、ある一定の名称を中心にして形成され、固定化されるものである。-略-」

「自由世界」というのはトリックとしているようだ……。下「」引用。

「「自由世界」についても、これと同じようにかんがえることができる。なにからの自由で、なにをする自由なのか。この自由世界にはあきらかに悪いものがたくさんあって、自由世界はそれから自由ではない。(三つだけあげれば、戦争、犯罪、貧困から自由ではない。)ある機知に富んだ人は、自由世界には自由なものはきわめて少ないとのべた。実際のところ、健康管理、高等教育、食糧、書物に関しては、自由世界のほうが、自由でないと思われる世界よりも金がかかる。しかし、いずれにしても、「自由」一般があり、完全で自由であるような世界があり、ほかの世界には自由がない、完全に不自由だとかんがえるのは、まったくのたわごとである。あるのは資本主義世界と共産主義世界であり、どちらもほかの世界が自由でないものから自由であり、ほかの世界が自由であるものから自由ではないのである。このような特殊性と相対性をとりさってしまえば、「自由」という言葉は(美しいひびきだけをのぞいて)、なんの意味ももたない。-略-」

原爆神話などというのは、もっとすごいトリックだろう……。

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こんなバカげたトリックを信じている人たちもいる……。

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