磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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テロ・マネー

2005年12月06日 | 読書日記など
『テロ・マネー』
     ダグラス・ファラー・著
      竹熊誠・訳/日本経済新聞社2004年



この本は表紙の写真からもわかるように、
アルカイダの資金源をさぐるものである。

このようなテロリスト集団がかつてあった
組織のように思っては問題は解決しないと
いうことは理解できた。

そもそも、アルカイダのオサマ・ビン・ラディンが
世界的にその悪名をはせたはじめたのは以下の文章が
教えてくれる。

「オサマ・ビン・ラディンの率いるアルカイダが、米国本土内でテロ攻撃を行なうために、新たな金融ネットワークを構築したのは、二○○一年九月十一日にニューヨークとワシントンにテロ攻撃がなされる数年前のことだった。実際、ビン・ラディンが最初にその存在を世に知らしめたのは、戦士としてではなく、アフガニスタンからソ連軍を追い払うために戦いを続けるムジャヒディン(イスラム聖戦ゲリラ)に最も影響力を強く持つ資金提供者としてであった。
 クリントン政権下の国家安全保障会議(NSC)で二年間、テロリストの資金源追跡の専門家として働いたウィリアム・F・ウェクスラーによると、「ビン・ラディンがテロに転じたとき、彼が最も重視したのは金融ネットワークである。今でもアルカイダの資金集めの中心にあるのは、この金融ネットワークなのだ」という」


しかし、まだその実態はベールに包まれたままだという。

アルカイダがこのように世界を騒がせるのも
資金源があるからで、組織を維持させるためには、
一億ドルもの大金が必要であるという。

また、武器を購入するなど、
そのまわりには死の商人たちが、
ハリウッド映画のようにたむろしているという。

アメリカ政府はこのような死の商人を逮捕する
よりも、戦争のときの協力者にしたという。

また、取引には金(きん)や麻薬などが
使用されているという。

また、米情報機関職員は上層部が、
固定観念でしか考えないので困っているようだ。

アルカイダの資金源には、慈善事業団もからんでいるという。

「ボスニアの警察当局は、シカゴ郊外に本部を置くイスラム教徒の慈善団体、“慈愛国際基金”のサラエボ事務所の一斉手入れを行なった。この組織がアルカイダの資金集めのために使われているとの疑いを強めた米政府関係者の要請に基づくものだった。結果的に警察当局はテロ資金の表立った動き以上のものを発見した。押収した資料やコンピュータのハードディスクには、それまでになかったような詳しいアルカイダの歴史や組織構造、金融戦略などが記録されていたのだ。なかでも注目されたのが、“タリーク・オサマ”というアラビア語の“オサマの歴史”だった。一九八八年のアルカイダが設立された会議の議事録や、アルカイダの設立当時からのスポンサーであるサウジアラビアの富豪のリストなどが記録されていた。」

資金調達は米国でおこなわれているという。
また、南フロリダ大学の教授も
パレスチナ・イスラム・ジハード(PIJ)
との関係などで逮捕されたという。


資金源は大きな組織というよりも、
無数の蟻がいるようだと表現する方もいる。
詐欺団や麻薬密売なども資金源になっているという。
テロリストの多くは麻薬密売人という方もいるそうだ。



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