磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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フクシマの王子さま

2012年06月23日 | 読書日記など
『フクシマの王子さま』
   椎根和・著/荒井良二・絵/芸術新聞社2011年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「子どもたちは、私たちの希望であり、未来です
水、米、果物、酪農、水産……
自然の宝庫フクシマで起きた
取り返しのつかない原発事故。
いま、本当に守るべきは何なのか、
一緒に考えてみませんか。」



王子様……。下「」引用。

「わたしの王子さまは、去年の十二月七日に生まれました。丸々とふとった元気な男のコでした。-略-」

生後四カ月で……。下「」引用。

「わたしの王子さまは、生後四カ月で何十マイクロシーベルトという数字を十字架のようにカラダにゆわいつけられて、生きていけと命令されたも同然です。
 ここ福島には、一歳になった男児には、一升餅を背負わせて、歩かせるお祝いがあります。
 わたしの王子さまは、24.24マイクロシーベルトと、四キロぐらいの一升餅を背負って無事に歩けるのでしょうか。-略-」

玄葉光一郎。下「」引用。

「ガソリンスタンドのうわさ話には、福島県選出の国会議員、玄葉光一郎国家戦略担当大臣(当時)が、福島むけのガソリンを確保した。安心しろといったウワサが一番人気があったそうです。ウワサではなく、玄葉の本当の発言は十四日午後、国会内で、「福島原発事故は、絶対にチェルノブイリ級の事故ではあり得ない」との、あとになってみれば、誤った判断をしていました。
 そんなバカみたいなうわさ話を聞かされていると、わたしも元気がでてきたような気分になって、わが家の安全対策は、やらなくていいのと夫に聞きました。
 放射能がやってくるのは、一週間か十日はかかると自分で判断してしまったのです。
 大事な王子さまは、なんの対策もしないで、家の対策だけを軽い気持ちで考えたのです。-略-」

フクシマ弁をスローガンに。下「」引用。

「最近は、あまり使われなくなったフクシマ弁も、復興のために、よびもどされたのです。」

木村知事の渡米。下「」引用。

「どこを視察しても、木村知事は、原発はきわめて安全なものだと米国原子炉メーカーの説明をうけます。
 ただピルグリム原子力発電所(米国東海岸のケープコッド)を訪問した時に、PR担当のロバート・J・ティスから、こういわれました。
「(ピルグリム原発は)はめこみ式でつくられているが、日本では地震の関係からあまり適当であるまい……」
 今回の福島原発事故につながる重要な発言でした。木村知事は、自伝にはこの発言を記していますが、帰国後、東電に対して地震に弱いというじゃないかと具体的なアクションをおこしませんでした。-略-
 ピルグリム社のPR担当者は、すでに福島原発では、GE社の原子炉が稼働していることを知っていて、チクリと、ライバル社GEの原子炉=マークIの欠点をさりげなく指摘したのです。」

西海岸に一基もつくられていない。下「」引用。

「GE社のマークIは、地震のすくない米国東海岸にのみ設置されたとの所在地図を公表しました。地震の多い西海岸には、一基もつくられていません。」

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渡部恒三は通産大臣もやり、東電とはとても仲がよい……。東電は佐藤雄平候補(渡部はおじ)を応援。そしてプルサーマル運転を許可。

プルトニウムをあび続けた福島県民。下「」引用。

「大問題なのは、その3号機が三月十四日に水素爆弾、炉心溶融をおこしました。大気中に投げだされた放射性物質のなかに、非常に毒性の強いプルトニウムがふくまれていました。エーサク知事が心配した通りになりました。
 卑劣にも、東電が、このプルトニウム放出を発表したのは、二週間後でした。
 その間、フクシマ県民は、だまって、プルトニウムをあび続けていたのです。」

ヘリコプターと菅。下「」引用。

「イラだった菅首相は次の朝、ヘリコプターで第一原発へ行きました。そこは前夜の午後九時五十一分に放射線がもれだし、立ち入り禁止になっていました。
 そして菅前首相は朝日の記者にいいます。
「立ち入り禁止になったという説明を受けたことは全くない」
 東電は、真実の報告を説明もせず、ただ国の最高権力者を、放射性物質がはげしくふる闇に、たたせました。のちに、この時点で、第一原発の、ある地点では、百五十マイクロシーベルトを記録していたとわかりました。-略-
 これはどうみても犯罪でしょう。-略-」

フクシマの男たち……。下「」引用。

「わたしの曽祖母は、よくこういっていたそうです。フクシマの男たちは、すぐ金にころぶ、金で失敗するんだ、一生なおんない病気みたいなもんだと……。
 たしかに福島県の知事、市長、町長がやめる時には、かならず贈収賄という言葉が新聞をにぎわせます。
 国の原子力政策を、まっこうから批判した佐藤栄佐久知事がやめるきっかけになったのも、贈収賄容疑でした。
 エーサク知事の逮捕により、東電批判は、尻つぶみとなりました。-略-」

寿命……。下「」引用。

「福島第一の1号機~6号機の寿命は、当初三十年という暗黙の約束があったはずです。わたしたちが使っている炊飯器だって、十年たてば新しいのに買いかえているでしょ。それを三十年という約束でスタートしたんだから、そうすればよかったんです。」

廃炉……。下「」引用。

「ところで東電は、約束の三十年がちかづくと、もう十年延長したいといってきて、四十年使いたいと、勝手にきめてしまったのです。原子炉の廃炉については、フクシマ県にはなにも相談せずによい、東電の経営判断だけで廃炉時期を決めてもよいしという法律があるそうです。
 ようやく利益がではじめた1号機~6号機を廃炉にするには、おしいと考えたのでしょうね。四十年という期間がせまると、もう二十年延長したいと、また勝手に決めたのです。合計六十年も同じ原子炉で稼ごうと思っていたのです。賞味期限三十年の原子炉を、自分たちの判断で六十年ととしたようなものです。ムリでしたね。」

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司会者って誰? 下「」引用。

「ある男性TV司会者は、原子力発電環境整備機構主催の「エネルギー・トーク・ライブ」の司会を二○一○年だけで四回やっています。そして原発事故後も、TVて、シレッとして、“この惨状を前に、われわれは何をすればよいのでしょう”などと言っています。原発事故の報道をする前に、私は、原発推進の目的で、こんな事もやりましたが、と告白してほしいと思います。」

草野仁?

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絶対逮捕されない……。下「」引用。

「その不埒な態度は、事故後TVに映しだされる東電側の記者会見によくでています。
 記者団がすこし鋭い質問をすると、副社長以下の幹部社員たちは、自分たちは絶対逮捕されないのだといダレきった安心感とともに、一様に、“×××ということで理解していただいて結構でございます”という人をばかにした感情のまったくない紋切り型の答え方をくり返しています。
 あげ足をとられたくない、失言したくないという当事者意識のまったくない、汚れた心根だけが露呈した答弁を耳にするたびに虫酸(むしず)が走ります。」

ドイツや韓国などのように、組織犯罪に時効なしとなれば、逮捕されるとボクは思うのですが……。

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