あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 032 お父さんがママだ! 茜は、自分の部屋をみまわして、ここまでする必要あるのかしらと思う。 なんか、さっぷうけいな感じがした。まるで男の子の部屋だった。 「ここまでしなくっていいいのに!」 ベッドに寝返って天井を見ながらそう呟いた。 「もしかして、別世界?」 茜はそう言って笑った。 --そんなことあるわけないじゃないの……。 「そうだわ」 茜はいい考えがひらめいた。 「もし、この世界が異次元でわたしが生きてきた世界と違うのなら、アルバムを見ればわかるわ。きっと!」 茜は机の引き出しの一番下を開けた。アルバムがあった。 「プッ!」 茜は思わず吹き出してしまった。お父さんが、女物の着物を着ている。 日本髪もかわいく決めている。 そこに、赤ちゃんの茜がサッカーボールの模様がプリントされた産着をきている。これじゃ、男の子の着る服だわ。 「えっ、私、男? そしてお父さんがママだ!」 ここまで凝るなんて、遊びにしてはすごすぎる……。 でも、どこかのテレビ番組かもしれないわ。 どっきりカメラ! --でも、それは外国の話でしょう。 日本でそんな番組をやっているとは知らないわ。 「どうしたっていうのかしら、これじゃ、まるで、SFの異次元に来たみたいじゃないの」 そうかもしれないわ。
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