『教科書に書かれなかった戦争Part3 ぼくらはアジアで戦争をした』
内海愛子・編/梨の木舎1986年
いろいろなことが話題になっています。
皇太子用のチョコレート……。下「」引用。
「菓子についてもエピソードがあるんです。私、昭和十九年に入隊したんですが、その時、通年動員で明治製菓で菓子をつくっていた中学生の弟が、皇太子用のチョコレートをもってきたんです。もちろん、無断で持出したわけでみつかれば放校ですが、恩寵の菓子とちがってこれはまったくこの世のものとは思えないほどうまいものでした。本当に皇太子が食べるためのものだったのでしょうが、しかし、毎週一回つくっていましたから、とても一人では食べきれるものではないんです。たぶん皇太子の口に入る前に、九九%は消えたと思います。弟もその一人ですが、弟と同級の黛敏郎が食ったかどうかは弟が死んだので聞いていません。」
ペン部隊というのがあったという……。下「」引用。
「「ペン部隊」とは、一九三八年の夏に開始された漢口攻略戦に従事した作家団のことで、後年の太平洋戦段階で南方諸地域に派遣された徴用作家とは別である。なぜなら、後者は強制的であったが「ペン部隊」の方は希望者であったからだ。」
「ペン部隊」として、菊池寛、佐藤春夫、吉川英治、古屋信子、川口松太郎、林芙美子などの名があげられている。……
軍隊と性病……。下「」引用。
「軍隊での病気やケガは一等症、二等症って等級があるんですね。「花柳病」はその中の番外のような、たしか三等と聞きましたが、そんなものは手当てを受ける権利はない、全く、本人の責任であるっていうんですね。」
「強姦を裁かない陸軍刑法」下「」引用。
「内海 そうすると、強姦自体が恥ずかしいという意識はあっても、説諭ぐらいで見逃されているので、れそが罪になるという意識は兵隊の中には定着していかないわけですね。」
ドロボウ集団の思想……。下「」引用。
「盗まれたほうが悪い
日本軍は泥棒集団のようなもので、このことは上海戦・南京戦に応召した早尾軍医中尉の報告書でも「員数をつける」とは数を合わせることで、兵器やその他の官品を盗まれたり紛失したりした場合、どこでもいいしどういう手段でもいいから、もちろん、私物ならそういう必要はないのだが、兵士が見につけているものや持っているものは頭の上から爪先まで、ほとんどが官給品で、しかもそれはもらったものではなく貸し与えられたものなのである。-略-
軍隊では、心の優しい者や正直な者は常に被害者でいなければならないわけだが、盗まれたほうが盗んだ者より悪いという論理でいけば、強姦されたほうが悪く、虐殺されたほうが悪いということで、兵士たちが戦場で罪悪感をもたず強姦や殺戮をやってのける根本的な原因はそこにある。」
小泉元総理は強姦を噂される……。
そして、自己責任の人だった……。
だけど、政策の失敗は問わないところも同じだ……。
彼らの自己責任は存在しない……。
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岩倉と山県が天皇を神格化したという。下「」引用。
「それと水戸学の流れをくむ、天皇を神格化させた連中がそれといっしょくたになって、天皇のイメージを作りあげていく必要が当然あっただろうと思います。政治家の中心になったのが、公家出身の岩倉具視と長州の山県有朋です。-略-」
「「生体解剖」は日常業務だった」湯浅謙
『消せない記憶』を出版した理由。下「」引用。
「湯浅 実は、この『消せない記憶』を出さなきゃいけないなと思ったのは、上坂冬子の『生体解剖』を読んでからなんですね。アメリカ人の捕虜を「生体解剖」するのに、爆弾やられているから、復讐心をもってやったとか、アメリカ人がにくくてやったとか、そういうことが書いてあるんですね。でも僕らなんか復讐心も何もなくやった。それでこれでは正しく伝わらない、いかんと思いましてね。でもああいう日本人の民族主義をくすぐるような本は売れるんですよね。だから、これはぜひ出さなきゃいかんと思ったんです。」
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廃兵という言葉があるのか……。下「」引用。
「待遇改善を要求して陸軍省に集まった廃兵。廃兵とは戦争で手や足を失い兵隊として役に立たなくなった人たち。「隊長殿にだまされた」とか「閣下達の踏み台」とかの文字が読みとれる。 『写真通信』1922年5月号」
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もくじ
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内海愛子・編/梨の木舎1986年
いろいろなことが話題になっています。
皇太子用のチョコレート……。下「」引用。
「菓子についてもエピソードがあるんです。私、昭和十九年に入隊したんですが、その時、通年動員で明治製菓で菓子をつくっていた中学生の弟が、皇太子用のチョコレートをもってきたんです。もちろん、無断で持出したわけでみつかれば放校ですが、恩寵の菓子とちがってこれはまったくこの世のものとは思えないほどうまいものでした。本当に皇太子が食べるためのものだったのでしょうが、しかし、毎週一回つくっていましたから、とても一人では食べきれるものではないんです。たぶん皇太子の口に入る前に、九九%は消えたと思います。弟もその一人ですが、弟と同級の黛敏郎が食ったかどうかは弟が死んだので聞いていません。」
ペン部隊というのがあったという……。下「」引用。
「「ペン部隊」とは、一九三八年の夏に開始された漢口攻略戦に従事した作家団のことで、後年の太平洋戦段階で南方諸地域に派遣された徴用作家とは別である。なぜなら、後者は強制的であったが「ペン部隊」の方は希望者であったからだ。」
「ペン部隊」として、菊池寛、佐藤春夫、吉川英治、古屋信子、川口松太郎、林芙美子などの名があげられている。……
軍隊と性病……。下「」引用。
「軍隊での病気やケガは一等症、二等症って等級があるんですね。「花柳病」はその中の番外のような、たしか三等と聞きましたが、そんなものは手当てを受ける権利はない、全く、本人の責任であるっていうんですね。」
「強姦を裁かない陸軍刑法」下「」引用。
「内海 そうすると、強姦自体が恥ずかしいという意識はあっても、説諭ぐらいで見逃されているので、れそが罪になるという意識は兵隊の中には定着していかないわけですね。」
ドロボウ集団の思想……。下「」引用。
「盗まれたほうが悪い
日本軍は泥棒集団のようなもので、このことは上海戦・南京戦に応召した早尾軍医中尉の報告書でも「員数をつける」とは数を合わせることで、兵器やその他の官品を盗まれたり紛失したりした場合、どこでもいいしどういう手段でもいいから、もちろん、私物ならそういう必要はないのだが、兵士が見につけているものや持っているものは頭の上から爪先まで、ほとんどが官給品で、しかもそれはもらったものではなく貸し与えられたものなのである。-略-
軍隊では、心の優しい者や正直な者は常に被害者でいなければならないわけだが、盗まれたほうが盗んだ者より悪いという論理でいけば、強姦されたほうが悪く、虐殺されたほうが悪いということで、兵士たちが戦場で罪悪感をもたず強姦や殺戮をやってのける根本的な原因はそこにある。」
小泉元総理は強姦を噂される……。
そして、自己責任の人だった……。
だけど、政策の失敗は問わないところも同じだ……。
彼らの自己責任は存在しない……。
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岩倉と山県が天皇を神格化したという。下「」引用。
「それと水戸学の流れをくむ、天皇を神格化させた連中がそれといっしょくたになって、天皇のイメージを作りあげていく必要が当然あっただろうと思います。政治家の中心になったのが、公家出身の岩倉具視と長州の山県有朋です。-略-」
「「生体解剖」は日常業務だった」湯浅謙
『消せない記憶』を出版した理由。下「」引用。
「湯浅 実は、この『消せない記憶』を出さなきゃいけないなと思ったのは、上坂冬子の『生体解剖』を読んでからなんですね。アメリカ人の捕虜を「生体解剖」するのに、爆弾やられているから、復讐心をもってやったとか、アメリカ人がにくくてやったとか、そういうことが書いてあるんですね。でも僕らなんか復讐心も何もなくやった。それでこれでは正しく伝わらない、いかんと思いましてね。でもああいう日本人の民族主義をくすぐるような本は売れるんですよね。だから、これはぜひ出さなきゃいかんと思ったんです。」
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廃兵という言葉があるのか……。下「」引用。
「待遇改善を要求して陸軍省に集まった廃兵。廃兵とは戦争で手や足を失い兵隊として役に立たなくなった人たち。「隊長殿にだまされた」とか「閣下達の踏み台」とかの文字が読みとれる。 『写真通信』1922年5月号」
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