磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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【雑誌】未来 三冊

2008年10月12日 | 読書日記など
『未来 23号』
   松本昌次・編/未来社1968年

小特集=ヒロシマ・一九六八年■目次■
・告発する被爆朝鮮人 平岡敬  2
・『死の内の生命』広島の生存被爆者 大原三八雄  6
・原爆の体験とその継承 秦知子  9
・“原爆横丁”のある街から 大牟田稔  12

生活苦しい朝鮮人被爆者。下「」引用。

「主人の金洪雲さんは南大門近くの理髪店に勤めていて留守。一カ月の収入は日本円で二万円足らず、薬代が七、八千円もかるので、一家五人の生活は苦しい。」

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歴史に深く刻み込む……。下「」引用。

「しかし、私たちに出来ることは、被爆朝鮮人が自分たちの手で自分たちの運動を進めてゆけるように、手伝うことだけだ。それよりも日本人にはなすべき仕事がある。それは原爆に倒れた朝鮮人、差別され無視され続けて来た被爆朝鮮人のうめきと怨念を“ヒロシマ”の歴史に深く刻み込むことである
  (ひらおかけ・けい 中国新聞記者)」

大田洋子ととリフトン。下「」引用。

「リフトン氏は、大田洋子と彼女が亡くなる一年半前に東京で会っているので、引用の作品以外に出てくる生々しい言葉のあることに注意したい。たとえば「私はただ一人の原爆作家です」とか、「自分は他の作家がやるように、虚構で原爆は描きたくない。誇張しないで、有りのままの姿を描きたい」などであるが、リフトン氏は「大田洋子の作品、蜂谷道彦の日記などが、立派な小説であることを知っても驚くに当たらない」と結論していることは印象的である。」

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『未来 107号』
   松本昌次・編/未来社1975年

核の総体に対決-原爆体験を伝える会- 長岡弘
1945年8月6.9.15日=原爆・敗戦 鎌田定夫  1
詩=雨中交霊、ベトナム・朝鮮・ヒロシマ 栗原貞子  2

出版したことを書く長岡。下「」引用。

「私たちが《“戦争の村”を世界へ知らせる会》からの具体的な遺産をうけて、英文原爆体験記『水ヲ下サイ--広島と長崎の証言』を刊行すべく、寄り集まり発足したのが'72年8月。翌'73年2月に、賛助会員の方々の御協力を得手、A5半、本文52ページ、写真8ページだての『水ヲ下サイ』が形を成す。以来今日まで、英文・和文(領布の必要上発行した)合わせて四万部ほどを消化している。-略-」

鎌田は被爆三世のことを書く。下「」引用。

「昨年十一月、長崎では被爆二世の子供、つまり“被爆三世”の幼な児が白血病で亡くなった。-略-」

栗原の詩を掲載。


『未来 118号』
   松本昌次・編/未来社1976年

<反原爆思想>を求めて(3・完)大牟田稔 2

『きのこ会』の訴え。下「」引用。

「六月八日、広島県庁で十三の原爆被爆者団体(大表十八人)が折りから来広中の厚生省・佐分利輝公衆衛生局長を囲んで、被爆者の生まの声をぶっかける懇談会を開いた。国会での被爆者援護法制定をめぐる質疑の過程を実現した集まりだったが、『きのこ会』からも地元だけでなく宮崎県、山口県から全員が駈けつけて懇談に加わった。約二時間にわたる各代表の訴えは、
 1. 放射能被害が今なお続いている原爆被害者に国家補償を2. 被爆者行政の基礎になる医療・研究体制の確立3. 現行の認定制度への疑問4. 動員学徒犠牲者や“被爆にせい”への対策を含めた総合的な被爆者援護法の制定5. 胎内被爆小頭症への終身保証
 という五項に要約される。これに対し、被爆者行政を所管している公衆衛生局長は「皆さんの気持ちは充分できるが、一般戦災者との兼ね合いもあって、国としては現行二法(原爆医療法、原爆医療特別措置法)の充実によって被爆者の要望を少しでも近づくよう努力したい」と、従来通りの方針を繰り返すだけで、暗に「被爆者援護法制定は考えない」点を強調したのが目立った。」

十人十色の現状だったという。下「」引用。

「『きのこ会』の子供たちの十七人は、その症状・環境が“十人十色”であるところに大きな特色がある。満足に話せず、着替えから用便まで介護の要る子もいれば、既に結婚して二児をもうけた子もいる。」

--Y君の結婚。
そこにNHKの集金人が受信料……。『きのこ会』に相談があったという。
--NHK職員の口頭による回答。下「」引用。

「平たく言えば、受信料の免除はしてやれない。将来、免除したとしても原爆関係を所管する厚生省に免除した分だけを肩代わり負担してもらわねば…ということである。ここにも戦争被害を単純に制服と市民で色分けすることで片づけようとする発想、人間に対する国家の責任をなんとか回避しようとする思想の一端がはしなくも露呈されている、と言えよう。」

それは傷痍軍人との差があったという……。
「生活保護の対象者、身体障害者と並んで戦争による傷痍軍人が含まれていることが判明した。」








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